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29 学園祭
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「んー、丈を長くって言われてたときはショックだったけど、これはこれでヨシだわぁ」
何故か、俺を囲むように梛木委員長達が集まってきてじっくりと・・・足を見られている。
しかも、両手を合わせて拝みだしたぞ??
え、なんで俺が拝まれているんだ???
「はぁ、もぅ、かな姫と同じクラスで幸せが過ぎて絶対今年の運を使い果たした感が断言できるレベル。
こんなにショートパンツが似合う可愛い男子高校生を神様ありがとうございます」
「あー、絶対領域、サイコーが過ぎてヤバイ、シンドイ。
狭くなった分希少価値が高まったのか、妄想領域が増えたからなのか・・・あ、違った。
かな姫が可愛いからだったわ」
「ワタルンとかな姫と同じクラスになったときから、この日が来るのを待っていました。
ここにみこたんまで加わるなんて、目が幸福で満たされ過ぎて視力上がりそう」
ワンブレスの早口ということもあるが、言葉の意味がよくわからないぞ。
俺はおかしくなっている三人から拝まれるのを避けるため、咄嗟にヤマの後ろに身を隠した。
それにしても・・・既に準備万端なスタッフエリアを背中に隠れて見渡す。
トラブル・・・俺の衣装の丈の長さについて衣装チームに変更を迫ったり、極力室温提供出来るメニューにするはずが要冷蔵ばかりになったり、一週間前の前撮りを終えた途端にこの部屋のラッピングデザインが予定を大きく外れて凝りだしたりとまぁ諸々あったわけだが・・・それらに全部対応して、よく今日に間に合わせられたな。
βの一部が盛り上がって突っ走れば、他の生徒から多少の反感を買う事態になるのではと危惧したこともあったが。
そのあたりも含め、梛木委員長はうまく進行していた。
βだからこそなのか、αのようなスタンドプレーもなく、三組に分けたそれぞれのチームプレーが光っていた。
ストーリー毎に分けて提供メニューに取り掛かったのも、競争意識を高めて結果美味しそうな内容で決定したし。
改めて梛木委員長のリーダーシップぶりを見直していたら、我に返った梛木委員長から喫茶担当時間の再確認をされた。
内容に差異がないことを確認し、了承したと頷く。
更衣スペースを含む机やダンボールで囲まれたスタッフエリアは、クラス全員がこのカフェのことを把握出来るようにとても工夫されている。
当日の段取りがしやすいように、冷蔵庫代わりに使用する持ち寄りのクーラーボックスにはどのメニューに使う食材がどの位置に入る予定なのか、イラストと写真が既に貼られている。
わざわざ中を開けて見なくても確認出来るし、材料も傷みにくくなる。
それに、包丁は調理室での使用を制限しているからな。
材料を後から補充するときの入れ間違いも防げる。
空になったクーラーボックスを固める場所まで床に色テープで区切り用意されているし。
ちなみに決定したカフェメニューは、『黒ずきんのおつかい』であるサンドイッチの盛り合わせ、『ねこのご馳走』のフルーツに命が売り歩く肉球クッキーが一枚飾られているパフェ、『アリスのお茶会』はスコーンとマフィンと生クリームで飾られたプリンの盛り合わせだ。
これにワンドリンクを付け、学園祭の平均単価300円を上回る強気な500円設定だ。
何故か、俺を囲むように梛木委員長達が集まってきてじっくりと・・・足を見られている。
しかも、両手を合わせて拝みだしたぞ??
え、なんで俺が拝まれているんだ???
「はぁ、もぅ、かな姫と同じクラスで幸せが過ぎて絶対今年の運を使い果たした感が断言できるレベル。
こんなにショートパンツが似合う可愛い男子高校生を神様ありがとうございます」
「あー、絶対領域、サイコーが過ぎてヤバイ、シンドイ。
狭くなった分希少価値が高まったのか、妄想領域が増えたからなのか・・・あ、違った。
かな姫が可愛いからだったわ」
「ワタルンとかな姫と同じクラスになったときから、この日が来るのを待っていました。
ここにみこたんまで加わるなんて、目が幸福で満たされ過ぎて視力上がりそう」
ワンブレスの早口ということもあるが、言葉の意味がよくわからないぞ。
俺はおかしくなっている三人から拝まれるのを避けるため、咄嗟にヤマの後ろに身を隠した。
それにしても・・・既に準備万端なスタッフエリアを背中に隠れて見渡す。
トラブル・・・俺の衣装の丈の長さについて衣装チームに変更を迫ったり、極力室温提供出来るメニューにするはずが要冷蔵ばかりになったり、一週間前の前撮りを終えた途端にこの部屋のラッピングデザインが予定を大きく外れて凝りだしたりとまぁ諸々あったわけだが・・・それらに全部対応して、よく今日に間に合わせられたな。
βの一部が盛り上がって突っ走れば、他の生徒から多少の反感を買う事態になるのではと危惧したこともあったが。
そのあたりも含め、梛木委員長はうまく進行していた。
βだからこそなのか、αのようなスタンドプレーもなく、三組に分けたそれぞれのチームプレーが光っていた。
ストーリー毎に分けて提供メニューに取り掛かったのも、競争意識を高めて結果美味しそうな内容で決定したし。
改めて梛木委員長のリーダーシップぶりを見直していたら、我に返った梛木委員長から喫茶担当時間の再確認をされた。
内容に差異がないことを確認し、了承したと頷く。
更衣スペースを含む机やダンボールで囲まれたスタッフエリアは、クラス全員がこのカフェのことを把握出来るようにとても工夫されている。
当日の段取りがしやすいように、冷蔵庫代わりに使用する持ち寄りのクーラーボックスにはどのメニューに使う食材がどの位置に入る予定なのか、イラストと写真が既に貼られている。
わざわざ中を開けて見なくても確認出来るし、材料も傷みにくくなる。
それに、包丁は調理室での使用を制限しているからな。
材料を後から補充するときの入れ間違いも防げる。
空になったクーラーボックスを固める場所まで床に色テープで区切り用意されているし。
ちなみに決定したカフェメニューは、『黒ずきんのおつかい』であるサンドイッチの盛り合わせ、『ねこのご馳走』のフルーツに命が売り歩く肉球クッキーが一枚飾られているパフェ、『アリスのお茶会』はスコーンとマフィンと生クリームで飾られたプリンの盛り合わせだ。
これにワンドリンクを付け、学園祭の平均単価300円を上回る強気な500円設定だ。
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