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29 学園祭
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パネルのヤマは、今の服装と変わらない。
なんの装飾もない白のツナギに、伸びた前髪を一つにまとめただけのラフなスタイル。
だけど、そのシンプルさがかえってヤマの朗らかで明るい性格まで写し取っているように見えるんだ。
内面から滲み出る人懐っこいところが現れている。
まぁ、実物にはとても遠く及ばないが、その一部は上手く切り取られていると思う。
撮影不可と、俺とヤマの身体にわざと重なるよう赤い文字が印刷されているから、このパネル写真は流出もされないだろう。
壁のポスターにも撮影不可の文字がこれでもかと踊っているんだが、こちらは上手く文字の形をデザインして悪目立ちしないよう溶け込ませている。
記者会見のスーツ姿やモデルのヤマももちろん格好良かったし、普段の制服も寝巻きも外出着もどれを着てもヤマらしく着こなして見惚れてしまうんだが。
ツナギなんて非日常な格好は初めて見たからな。
そのいつもより逞しさを感じる姿を見て、着替え終わったヤマに抱きしめて欲しいと早速お願いしてしまった。
誰よりも先取りしてこんなヤマを見ることが出来る幸せを、もっと感じていたかったのと。
このヤマは俺のヤマだと、独り占めしたくなった気持ちを抑えたかったんだ。
もし、俺がαのように所有フェロモンが出せたなら、ヤマにいっぱいつけて多少は満足出来たんだけどな。
でも、抱き合ってる途中でヤマが発情してしまい、その後身体の火照りを冷ますのに苦労した。
前撮りは、教室で他のクラスには秘密裏に行われたからな。
抱き合っていたのは、部屋の隅に机やダンボールで仕切って作られた簡易過ぎる更衣スペースだ。
四方だけ区切られた防音もない狭い場所では、どう処理することも出来ないし。
声を上げて怒ることも出来なくて、無言でヤマを睨みなんとかしろと離れたんだ。
だけど、撮影に入ると呼ばれても出ていくのに時間がかかってしまって。
それを詫びる前に、時間が押しているからと撮影に入って。
そこでの無茶苦茶なリクエストに答えるしかなかった。
壁には、その時のリクエスト、お姫様抱っこに頬にキス、向かい合わせでの額コツン、背後からのハグに何故か肩車まで全部採用され引き伸ばしたポスターが貼ってある。
まぁ、他の二組もバラエティに飛んでいるから、特に目立ってないことが救いかもしれない。
隣で今日の打ち合わせをしているヤマを見上げる。
梛木委員長の指示に素直に頷き、とても楽しそうに対応している。
梛木委員長は、ヤマの笑顔を間近で見てしまい頬を染めていた。
あー、ヤマはなんでこんなに格好良いんだろう。
今日一日、他の人間からヤマを隠して持ち歩きたい。
なんの装飾もない白のツナギに、伸びた前髪を一つにまとめただけのラフなスタイル。
だけど、そのシンプルさがかえってヤマの朗らかで明るい性格まで写し取っているように見えるんだ。
内面から滲み出る人懐っこいところが現れている。
まぁ、実物にはとても遠く及ばないが、その一部は上手く切り取られていると思う。
撮影不可と、俺とヤマの身体にわざと重なるよう赤い文字が印刷されているから、このパネル写真は流出もされないだろう。
壁のポスターにも撮影不可の文字がこれでもかと踊っているんだが、こちらは上手く文字の形をデザインして悪目立ちしないよう溶け込ませている。
記者会見のスーツ姿やモデルのヤマももちろん格好良かったし、普段の制服も寝巻きも外出着もどれを着てもヤマらしく着こなして見惚れてしまうんだが。
ツナギなんて非日常な格好は初めて見たからな。
そのいつもより逞しさを感じる姿を見て、着替え終わったヤマに抱きしめて欲しいと早速お願いしてしまった。
誰よりも先取りしてこんなヤマを見ることが出来る幸せを、もっと感じていたかったのと。
このヤマは俺のヤマだと、独り占めしたくなった気持ちを抑えたかったんだ。
もし、俺がαのように所有フェロモンが出せたなら、ヤマにいっぱいつけて多少は満足出来たんだけどな。
でも、抱き合ってる途中でヤマが発情してしまい、その後身体の火照りを冷ますのに苦労した。
前撮りは、教室で他のクラスには秘密裏に行われたからな。
抱き合っていたのは、部屋の隅に机やダンボールで仕切って作られた簡易過ぎる更衣スペースだ。
四方だけ区切られた防音もない狭い場所では、どう処理することも出来ないし。
声を上げて怒ることも出来なくて、無言でヤマを睨みなんとかしろと離れたんだ。
だけど、撮影に入ると呼ばれても出ていくのに時間がかかってしまって。
それを詫びる前に、時間が押しているからと撮影に入って。
そこでの無茶苦茶なリクエストに答えるしかなかった。
壁には、その時のリクエスト、お姫様抱っこに頬にキス、向かい合わせでの額コツン、背後からのハグに何故か肩車まで全部採用され引き伸ばしたポスターが貼ってある。
まぁ、他の二組もバラエティに飛んでいるから、特に目立ってないことが救いかもしれない。
隣で今日の打ち合わせをしているヤマを見上げる。
梛木委員長の指示に素直に頷き、とても楽しそうに対応している。
梛木委員長は、ヤマの笑顔を間近で見てしまい頬を染めていた。
あー、ヤマはなんでこんなに格好良いんだろう。
今日一日、他の人間からヤマを隠して持ち歩きたい。
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