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24 体育祭 side 陸

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こんな時こそ、竹居がなんか適当なこと言って盛り上げろよ。
三枝とその隣の竹居は、互いのクラスのことを話したり、芝浦の妹のことなんかで何だかんだと話が続くんだからな。
だが、竹居は一足早く食べ終わってからずっとスマホをいじっている。
麻野に話しかけられても、適当な相槌しか返してねぇ。
竹居にこの沈んだ空気を変える気配はねぇな。

こうなったら、仕方ねぇ。

自分から三枝に話しかけるなんて、柄にもねぇことはさっさと放棄。
デザートのゼリーを食べ終わると、後はやることも無いしな。
教室に戻ることにした。

三枝は、俺がその場に立ち上がろうと机に手をついただけで、竹居側に身体を逸らし、必要以上に避ける。
おまっ、そこまですることはねぇだろうが?!
俺は、猛獣か?
俯いたままの頭に、くそっと出掛けた舌打ちを抑えて口を閉じた。

ここで舌打ちなんてしてみろ。
三枝にまたあの目を向けられる。
他のαやβと同じ、オドオドとこっちに萎縮し遠巻きに眺めてくるあの目。


「お先」


かなちゃんは、何か言いたそうにしていたがまだ食ってる途中だったしな。
菊川に短く断りをいれて立ち上がり、トレイを手に返却口に向かった。

あ"ーーーーーっっ

泣かれんのも、避けられんのも堪えたが。
たった一度、フェロモンをぶつけただけでこんなに怯えられるとは・・・って、当たり前か。
同世代のαが震えるくれぇのを、三枝目掛けてぶつけてしまった自覚はある。
ぶつけなくても、俺の顔色を伺うヤツラが普通だったんだ。
今までの三枝が、特別だったんだ。

あの、一回。

ムカついて、つい、出してしまったフェロモンだった。
さんざん面倒を見てきた俺は、嫌ったまんまのくせに。
俺が、つきまとわれてるなら助けてやろうかと動こうとした桂木とは、名前を知らねぇ段階から一緒にチョコレートケーキを食ってるなんてな。

しかも、三年の残りもんの菓子を喜んで受け取っていた俺をバカにするみてぇに、生徒会には全く関係がねぇのに桂木に同じものを渡すときた。
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