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23 新生徒会

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「ホマレン、お仕事ダイジョーブ?」

「なんか、わかんないとこナーイ?」


自分達の引き継ぎをさっさと済ませた双子は、田栗を中央に挟んで構い倒している。
文字通り、両側から腕をクロスして肩を組み、フニフニ余計な肉などついてないほっそりした頬を指で両側からつついて。

なんでも、このふたりは田栗のことを夫で番の田栗養護教諭に田栗のことを頼まれているらしい。

壇上に降りた直後に笹部から、「お前ら、何でわざわざ生徒会に首を突っ込んできた?!」と睨まれて、「「ホマレンのことを、タグリンに頼まれちゃったんだよ~」」とニコニコ。
部外者の俺の目から見ても、裏取引が有りそうな似非くさい顔で笑っていたからな。
怪しすぎる。


「大丈夫ですよ、海さん、空さん」


田栗もそれに気付いてないワケは無さそうなんだが、今もつついてくる指を書類でサラリとかわして微笑んでいる。
α二人に挟まれても、全く動じない。

どころか。

わざわざその場で一歩下がり、自然に腕の拘束を解かせると、入学式でもその威力をお披露目している微笑みを強化。


「唯一無二だと、他に類を見ない人を例えることがありますが、お二人が並ぶ姿こそ唯一無二の存在でしょう。
いえ、ひとつでも美しい花が2つも並ぶ姿は、例えることも難しいですね。
そんなに見つめられると、夜空よりも深く美しい瞳に魂が吸い込まれてしまいそうです」


聞いてるこちらが魂を抜かれそうな魅惑の声を響かせる。
ちなみに、この時点で三枝は声も出ずに口をパカッと開けたまま放心している。


「ふぁっ・・・くぅっ、今日もホマレンに負けたぁーっ」

「もー、本当にホマレンって恐ろしい子っ」


双子も、良く似たものだな。
二人して床に崩れてしまい、机の向こう側、俺の視界から消えた。
田栗から言葉を返された時点で、撃ち抜かれた胸のあたりをギュッと掴み、早々に敗北宣言。

ちなみに、ブレザーごと掴んでいる空の胸は二学期から急に萎んでいる。
見分けが簡単につくようになった。
これも、「花は有りのままの姿が一番目を引き、私の心を捉えます」と田栗に言われたかららしい。

本当に恐ろしい、んだよな。
田栗は、これが素なんだ・・・キャラだろうかと最初は疑っていたんだが、ツラツラ出てくる言葉よりもどんな話でもうっとりと聞き惚れてしまう語りが怖い。
どんなスキルだ。

しっかり気持ちを持っていないと、馬鹿げた内容でも聞き惚れて、難しい課題でもはいはいと安易に了承してしまいそうだ。
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