566 / 911
23 新生徒会
2
しおりを挟む
「ホマレン、お仕事ダイジョーブ?」
「なんか、わかんないとこナーイ?」
自分達の引き継ぎをさっさと済ませた双子は、田栗を中央に挟んで構い倒している。
文字通り、両側から腕をクロスして肩を組み、フニフニ余計な肉などついてないほっそりした頬を指で両側からつついて。
なんでも、このふたりは田栗のことを夫で番の田栗養護教諭に田栗のことを頼まれているらしい。
壇上に降りた直後に笹部から、「お前ら、何でわざわざ生徒会に首を突っ込んできた?!」と睨まれて、「「ホマレンのことを、タグリンに頼まれちゃったんだよ~」」とニコニコ。
部外者の俺の目から見ても、裏取引が有りそうな似非くさい顔で笑っていたからな。
怪しすぎる。
「大丈夫ですよ、海さん、空さん」
田栗もそれに気付いてないワケは無さそうなんだが、今もつついてくる指を書類でサラリとかわして微笑んでいる。
α二人に挟まれても、全く動じない。
どころか。
わざわざその場で一歩下がり、自然に腕の拘束を解かせると、入学式でもその威力をお披露目している微笑みを強化。
「唯一無二だと、他に類を見ない人を例えることがありますが、お二人が並ぶ姿こそ唯一無二の存在でしょう。
いえ、ひとつでも美しい花が2つも並ぶ姿は、例えることも難しいですね。
そんなに見つめられると、夜空よりも深く美しい瞳に魂が吸い込まれてしまいそうです」
聞いてるこちらが魂を抜かれそうな魅惑の声を響かせる。
ちなみに、この時点で三枝は声も出ずに口をパカッと開けたまま放心している。
「ふぁっ・・・くぅっ、今日もホマレンに負けたぁーっ」
「もー、本当にホマレンって恐ろしい子っ」
双子も、良く似たものだな。
二人して床に崩れてしまい、机の向こう側、俺の視界から消えた。
田栗から言葉を返された時点で、撃ち抜かれた胸のあたりをギュッと掴み、早々に敗北宣言。
ちなみに、ブレザーごと掴んでいる空の胸は二学期から急に萎んでいる。
見分けが簡単につくようになった。
これも、「花は有りのままの姿が一番目を引き、私の心を捉えます」と田栗に言われたかららしい。
本当に恐ろしい、んだよな。
田栗は、これが素なんだ・・・キャラだろうかと最初は疑っていたんだが、ツラツラ出てくる言葉よりもどんな話でもうっとりと聞き惚れてしまう語りが怖い。
どんなスキルだ。
しっかり気持ちを持っていないと、馬鹿げた内容でも聞き惚れて、難しい課題でもはいはいと安易に了承してしまいそうだ。
「なんか、わかんないとこナーイ?」
自分達の引き継ぎをさっさと済ませた双子は、田栗を中央に挟んで構い倒している。
文字通り、両側から腕をクロスして肩を組み、フニフニ余計な肉などついてないほっそりした頬を指で両側からつついて。
なんでも、このふたりは田栗のことを夫で番の田栗養護教諭に田栗のことを頼まれているらしい。
壇上に降りた直後に笹部から、「お前ら、何でわざわざ生徒会に首を突っ込んできた?!」と睨まれて、「「ホマレンのことを、タグリンに頼まれちゃったんだよ~」」とニコニコ。
部外者の俺の目から見ても、裏取引が有りそうな似非くさい顔で笑っていたからな。
怪しすぎる。
「大丈夫ですよ、海さん、空さん」
田栗もそれに気付いてないワケは無さそうなんだが、今もつついてくる指を書類でサラリとかわして微笑んでいる。
α二人に挟まれても、全く動じない。
どころか。
わざわざその場で一歩下がり、自然に腕の拘束を解かせると、入学式でもその威力をお披露目している微笑みを強化。
「唯一無二だと、他に類を見ない人を例えることがありますが、お二人が並ぶ姿こそ唯一無二の存在でしょう。
いえ、ひとつでも美しい花が2つも並ぶ姿は、例えることも難しいですね。
そんなに見つめられると、夜空よりも深く美しい瞳に魂が吸い込まれてしまいそうです」
聞いてるこちらが魂を抜かれそうな魅惑の声を響かせる。
ちなみに、この時点で三枝は声も出ずに口をパカッと開けたまま放心している。
「ふぁっ・・・くぅっ、今日もホマレンに負けたぁーっ」
「もー、本当にホマレンって恐ろしい子っ」
双子も、良く似たものだな。
二人して床に崩れてしまい、机の向こう側、俺の視界から消えた。
田栗から言葉を返された時点で、撃ち抜かれた胸のあたりをギュッと掴み、早々に敗北宣言。
ちなみに、ブレザーごと掴んでいる空の胸は二学期から急に萎んでいる。
見分けが簡単につくようになった。
これも、「花は有りのままの姿が一番目を引き、私の心を捉えます」と田栗に言われたかららしい。
本当に恐ろしい、んだよな。
田栗は、これが素なんだ・・・キャラだろうかと最初は疑っていたんだが、ツラツラ出てくる言葉よりもどんな話でもうっとりと聞き惚れてしまう語りが怖い。
どんなスキルだ。
しっかり気持ちを持っていないと、馬鹿げた内容でも聞き惚れて、難しい課題でもはいはいと安易に了承してしまいそうだ。
1
お気に入りに追加
1,440
あなたにおすすめの小説
【完結】別れ……ますよね?
325号室の住人
BL
☆全3話、完結済
僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。
ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
国王の嫁って意外と面倒ですね。
榎本 ぬこ
BL
一国の王であり、最愛のリヴィウスと結婚したΩのレイ。
愛しい人のためなら例え側妃の方から疎まれようと頑張ると決めていたのですが、そろそろ我慢の限界です。
他に自分だけを愛してくれる人を見つけようと思います。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
当たり前の幸せ
ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。
初投稿なので色々矛盾などご容赦を。
ゆっくり更新します。
すみません名前変えました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる