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21 夏休み side 倭人
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俺としては、この件は俺もカナも当事者じゃないからな。
群れ内で起こっていることだけれど、正直それほど興味がない。
だけど、夏休みに入ってから、カナは三枝のことを気にして考え込んだり相談に乗ったり忙しそうにしている。
これで三枝と笹部が番にならなかったら、三枝よりカナの方がへこむんじゃないか?
そこが心配だ。
カナが悲しむ顔は見たくない。
サクッとクッキーをかじったら、ふわりと甘さが広がったんだけどレモンの味を消すには及ばず口の中で曖昧に混じってしまった。
なんの味だ?
残りを口にいれて、さっきよりもゆっくり味わったけどわからない。
甘さも強くないし、特徴が捉えきれない。
こんな味のフルーツってあったっけ?
「カナ、この青いのってなんのフルーツなんだ?」
「その青いのは、フルーツじゃないんだ。
ストロベリー、レモン、ブルーハワイ。
夏期限定のかき氷の飴で、サイダーの味を模してるんだ。
瓶にも同じ味が入ってるから、口に合えば食べて欲しいんだが・・・」
「食べるよ!」
勿論っと、掌に収まる小ぶりの瓶を手に取り眺める。
カナが俺に作ってくれたクッキー。
食べるに決まってる!
カナは菊川家に入るにあたり、番候補だった姉貴の好物を作る練習をしていたのは聞いている。
いつか、俺に料理を作ってくれないかなぁって願望はあったんだけどなかなか言い出せなかったんだ。
全部食べるのは勿体無いな。
何枚か食べずに残しおきたいな。
なんか、コーティングとかしたら永久保存出来ないかな?
兄貴の工房になら、道具とかありそう。
嬉しくて、手元の瓶をにやけながら眺めていたらカナはふにゃぁと俺に甘い笑顔を見せてくれた。
「そうか・・・嬉しい」
つり上がりぎみの目尻が下がって、瞳がキラキラ輝き。
唇の隙間からは、白い歯が溢れる。
照れてるのかな?
頬がちょっと赤いぞ。
もー、カナ可愛過ぎるっ
カナには、笑っていてほしい。
もっと笑顔を見ていたい。
群れ内で起こっていることだけれど、正直それほど興味がない。
だけど、夏休みに入ってから、カナは三枝のことを気にして考え込んだり相談に乗ったり忙しそうにしている。
これで三枝と笹部が番にならなかったら、三枝よりカナの方がへこむんじゃないか?
そこが心配だ。
カナが悲しむ顔は見たくない。
サクッとクッキーをかじったら、ふわりと甘さが広がったんだけどレモンの味を消すには及ばず口の中で曖昧に混じってしまった。
なんの味だ?
残りを口にいれて、さっきよりもゆっくり味わったけどわからない。
甘さも強くないし、特徴が捉えきれない。
こんな味のフルーツってあったっけ?
「カナ、この青いのってなんのフルーツなんだ?」
「その青いのは、フルーツじゃないんだ。
ストロベリー、レモン、ブルーハワイ。
夏期限定のかき氷の飴で、サイダーの味を模してるんだ。
瓶にも同じ味が入ってるから、口に合えば食べて欲しいんだが・・・」
「食べるよ!」
勿論っと、掌に収まる小ぶりの瓶を手に取り眺める。
カナが俺に作ってくれたクッキー。
食べるに決まってる!
カナは菊川家に入るにあたり、番候補だった姉貴の好物を作る練習をしていたのは聞いている。
いつか、俺に料理を作ってくれないかなぁって願望はあったんだけどなかなか言い出せなかったんだ。
全部食べるのは勿体無いな。
何枚か食べずに残しおきたいな。
なんか、コーティングとかしたら永久保存出来ないかな?
兄貴の工房になら、道具とかありそう。
嬉しくて、手元の瓶をにやけながら眺めていたらカナはふにゃぁと俺に甘い笑顔を見せてくれた。
「そうか・・・嬉しい」
つり上がりぎみの目尻が下がって、瞳がキラキラ輝き。
唇の隙間からは、白い歯が溢れる。
照れてるのかな?
頬がちょっと赤いぞ。
もー、カナ可愛過ぎるっ
カナには、笑っていてほしい。
もっと笑顔を見ていたい。
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