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21 夏休み side 倭人
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「もぉー、大袈裟だなぁ。
流石にこんなことで清人は怒らないよ。
布を外してるだけだし、いくら俺でも一人で出来るよ」
遥馬さんは、兄弟揃って過保護すぎると可笑しそうに笑ってるけど、俺は全く笑えない。
無言で布を畳んでいたら、手伝わせて欲しそうにソワソワされたけど一枚も渡さず完了させた。
遥馬さんの身に万一のことが起こったら。
まぁ、この場合、万一ってのはさっきの布キャッチに失敗して足がもつれる程度のことまで兄貴カウントなら入るレベルなんだけど。
その万一の事態には、その要因となった人間に兄貴は容赦なく万死に値する極刑を与えるのは確実だし。
万一のことが起こらなくても、遥馬さんにこれ以上負担を掛けたと分かれば俺はただじゃすまない。
まぁ、俺と言うか、俺の群れの問題に父さん曰くまだ安定期に入っていない大切な時期の遥馬さんを巻き込んでしまっている時点で死相は出てそうだけど。
思わず頬を撫でる。
「ふふっ、でも嬉しいなぁ。
身近に変異種Ωの仲間がいるなんて。
陽太さんが居てくれると心強いんだけど、命ちゃんが慣れるまでは難しそうだよね」
遥馬さんは、ポンッと両手を打ってニコニコ笑顔。
夏休みに入ってから、俺まで巻き込まれている三枝の件について喜んでいるのは本人と遥馬さんだけだ。
修学旅行の帰り道、夏休みの勉強について話し合うと出掛けたカナが、帰宅してから俺に教えてくれた事の次第は予想外の内容だった。
群れにいれる前に笹部から打ち明けられていた過ちが、まさかこんな近くにいたなんてな。
本人もβと思い込んで行動していたなら、誰も三枝がΩなんて気付かない筈だ。
笹部がそれをずっと引きずっていたのも知っていたから、さっさと教えてまとめてしまえば良いと思ったのに・・・三枝が頑なに笹部に知らせることを拒否しているんだとカナも頭を抱えていたっけ。
流石にこんなことで清人は怒らないよ。
布を外してるだけだし、いくら俺でも一人で出来るよ」
遥馬さんは、兄弟揃って過保護すぎると可笑しそうに笑ってるけど、俺は全く笑えない。
無言で布を畳んでいたら、手伝わせて欲しそうにソワソワされたけど一枚も渡さず完了させた。
遥馬さんの身に万一のことが起こったら。
まぁ、この場合、万一ってのはさっきの布キャッチに失敗して足がもつれる程度のことまで兄貴カウントなら入るレベルなんだけど。
その万一の事態には、その要因となった人間に兄貴は容赦なく万死に値する極刑を与えるのは確実だし。
万一のことが起こらなくても、遥馬さんにこれ以上負担を掛けたと分かれば俺はただじゃすまない。
まぁ、俺と言うか、俺の群れの問題に父さん曰くまだ安定期に入っていない大切な時期の遥馬さんを巻き込んでしまっている時点で死相は出てそうだけど。
思わず頬を撫でる。
「ふふっ、でも嬉しいなぁ。
身近に変異種Ωの仲間がいるなんて。
陽太さんが居てくれると心強いんだけど、命ちゃんが慣れるまでは難しそうだよね」
遥馬さんは、ポンッと両手を打ってニコニコ笑顔。
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