ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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20 夏休み side 翔

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バスは、午後からの試合開始に合わせて、休憩回数と時間を増やし昼前に会場に到着した。
弁当は、夏場なので冷房の効いた車中で食べ終えていた。
サービスエリアでの買い食いや、バスの中で回ってくるお菓子の量も多かったから、帰るまでお腹が空くことは無さそうだ。

バスを降りると、後から出てきたお母さん方はバスの床下トランクルームから荷物を受け取っている。
大小バラツキはあるが、どれもバスケ部の子ども達に渡す鞄だ。
勝ち残るための願掛けもあるらしく、試合前に前日に使っていた洗濯物と交換で新しいものを渡すとか。

このあと、駐車場に入るときに見かけたバスケ部が使っているマイクロバスに乗り込んでいく。
一日目と二日目は、先にこちらが到着していたので一緒に部員の到着を待ち、会場に運び込む荷物の手伝いをしたんだけど今日は後に着いたし行く必要はない。
俺は、その列から離れて先に会場入りした。

三日目になると、残っているチーム数も少なくなり、練習用のコートも同じ会場内。
二階席から会場全体を見下ろすと、茅野学園のユニホームが見えた。

茅野学園のバスケ部は、インターハイにも度々出たことはあったらしい。
でも、出場しても一回戦敗退ばかりで、去年はインターハイには及ばず。
顧問が、今年から新任教師に変わったお陰で上達したんだとお母さん方が話していた。

三枝先輩からも、クラス担任でもある槇地先生は凄い人だと繰り返し聞いている。
βリーグのプロバスケ選手にもなれたのに、教師になったんだとか。

今も、選手に声をかけ、緊張していた生徒を笑わせている。
固くなった身体では、何をやってもうまくいかない。
けど、三日目まで残った快挙に、浮き足立ったり緊張している人の顔は・・・

あ、三枝先輩!

その笑っていた輪の中に三枝先輩を見つけ、俺は練習コートの真上の席に向かって駆け出していた。
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