514 / 911
20 夏休み side 翔
2
しおりを挟む
ベットから起き上がり、身体を捻って伸ばすとバキバキ音がなる。
寝る前にストレッチはしたんだけどな。
結構疲れがたまってるのか?
万一寝坊したらシャレにならないし、朝の早い歌音に起こすよう頼んでいるけど、あの起こし方がなぁ。
着替えて、朝食。
身支度後に、用意されていた弁当と水筒を鞄にいれ、出勤前の父親と車に乗り込む。
空は明るくなっているけど、まだ六時前。
今日も長距離移動だ、と思うと気分は暗くなるけど。
三枝先輩の勇姿が見れるなら苦にならない。
「父さん、ありがとう」
「ん」
寡黙な父さんは、頷いて黙って車を走らせる。
行き先は、茅野学園だ。
連日、六時半にバスケ部後援会が用意してくれたバスが出発する。
三枝先輩の所属しているバスケ部が、去年は出場を逃したインターハイに進出。
応援にいきましょうと盛り上がった親御さんが金を出しあって、そこに俺も乗れば良いと誘ってもらえた。
昨日からは台数も増えて、女子生徒だけで1台埋まるようになった。
往復で六時間以上かかるし、会場の周辺はこれといった名所もない。
体力がついていかずに、毎日の応援を諦める人もいれば、俺のように毎日乗り込む人もいる。
俺は、夏休みに入ってから体育館に出入りする人数も減ったし。
練習の邪魔にならないよう、体育館の扉の近くで三枝先輩の練習を見ていた。
小さい身体を駆使して、相手のボールを低い位置で奪いそのまま速攻!
ゴールが決まると、パーッと太陽のような明るい笑顔が溢れる。
三枝先輩は、可愛いし、格好良いし、やっぱり好きだなと会うたびに再認識して、気持ちがどんどん大きくなっていく。
三枝先輩の迷惑にならないよう、先輩として憧れている風を装うことにしたけど難しい。
バスケ部の先輩や同級生には、バレバレで完全に面白がられてる。
応援初日から、長距離の時間を埋めるように自己紹介が始まって。
「なんで応援に来ているんだ」と、根掘り葉掘り聞き出そうとするお母さん達に捕まってしまった。
そこでは上手くかわしたつもりだったんだけど・・・
三枝先輩が、第一試合で途中出場したときには顔や態度に出たんだろうな。
「あのこの応援」と特定されてたし。
二日目からは、三枝先輩が出ると「良かったね!」と声を掛けられるようになっていた。
寝る前にストレッチはしたんだけどな。
結構疲れがたまってるのか?
万一寝坊したらシャレにならないし、朝の早い歌音に起こすよう頼んでいるけど、あの起こし方がなぁ。
着替えて、朝食。
身支度後に、用意されていた弁当と水筒を鞄にいれ、出勤前の父親と車に乗り込む。
空は明るくなっているけど、まだ六時前。
今日も長距離移動だ、と思うと気分は暗くなるけど。
三枝先輩の勇姿が見れるなら苦にならない。
「父さん、ありがとう」
「ん」
寡黙な父さんは、頷いて黙って車を走らせる。
行き先は、茅野学園だ。
連日、六時半にバスケ部後援会が用意してくれたバスが出発する。
三枝先輩の所属しているバスケ部が、去年は出場を逃したインターハイに進出。
応援にいきましょうと盛り上がった親御さんが金を出しあって、そこに俺も乗れば良いと誘ってもらえた。
昨日からは台数も増えて、女子生徒だけで1台埋まるようになった。
往復で六時間以上かかるし、会場の周辺はこれといった名所もない。
体力がついていかずに、毎日の応援を諦める人もいれば、俺のように毎日乗り込む人もいる。
俺は、夏休みに入ってから体育館に出入りする人数も減ったし。
練習の邪魔にならないよう、体育館の扉の近くで三枝先輩の練習を見ていた。
小さい身体を駆使して、相手のボールを低い位置で奪いそのまま速攻!
ゴールが決まると、パーッと太陽のような明るい笑顔が溢れる。
三枝先輩は、可愛いし、格好良いし、やっぱり好きだなと会うたびに再認識して、気持ちがどんどん大きくなっていく。
三枝先輩の迷惑にならないよう、先輩として憧れている風を装うことにしたけど難しい。
バスケ部の先輩や同級生には、バレバレで完全に面白がられてる。
応援初日から、長距離の時間を埋めるように自己紹介が始まって。
「なんで応援に来ているんだ」と、根掘り葉掘り聞き出そうとするお母さん達に捕まってしまった。
そこでは上手くかわしたつもりだったんだけど・・・
三枝先輩が、第一試合で途中出場したときには顔や態度に出たんだろうな。
「あのこの応援」と特定されてたし。
二日目からは、三枝先輩が出ると「良かったね!」と声を掛けられるようになっていた。
1
お気に入りに追加
1,441
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭
1/27 1000❤️ありがとうございます😭

僕の番
結城れい
BL
白石湊(しらいし みなと)は、大学生のΩだ。αの番がいて同棲までしている。最近湊は、番である森颯真(もり そうま)の衣服を集めることがやめられない。気づかれないように少しずつ集めていくが――
※他サイトにも掲載



【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

欠陥αは運命を追う
豆ちよこ
BL
「宗次さんから番の匂いがします」
従兄弟の番からそう言われたアルファの宝条宗次は、全く心当たりの無いその言葉に微かな期待を抱く。忘れ去られた記憶の中に、自分の求める運命の人がいるかもしれないーー。
けれどその匂いは日に日に薄れていく。早く探し出さないと二度と会えなくなってしまう。匂いが消える時…それは、番の命が尽きる時。
※自己解釈・自己設定有り
※R指定はほぼ無し
※アルファ(攻め)視点


偽物の運命〜αの幼馴染はβの俺を愛しすぎている〜
白兪
BL
楠涼夜はカッコよくて、優しくて、明るくて、みんなの人気者だ。
しかし、1つだけ欠点がある。
彼は何故か俺、中町幹斗のことを運命の番だと思い込んでいる。
俺は平々凡々なベータであり、決して運命なんて言葉は似合わない存在であるのに。
彼に何度言い聞かせても全く信じてもらえず、ずっと俺を運命の番のように扱ってくる。
どうしたら誤解は解けるんだ…?
シリアス回も終盤はありそうですが、基本的にいちゃついてるだけのハッピーな作品になりそうです。
書き慣れてはいませんが、ヤンデレ要素を頑張って取り入れたいと思っているので、温かい目で見守ってくださると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる