ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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19 夏休み side 陸

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電車を乗り継ぎ、目的地の駅から会場までは巡回バスに乗り換え、漸く到着した。
夏休みってのも有るんだろうが、電車もバスも、会場前も人が多い。

午前中で負けたんだろーな。
泣きながら迎えのマイクロバスに乗り込んでくチームの姿もあった。
α社会にはない光景だな。
格上α相手に競って負けても、仕方ないのだと受け入れる。
悔し涙なんて出てこねー

試合まで、まだ時間に余裕があった。
βばっかのとこに来たが、ここに来てる目的は試合の応援で一貫してるからな。
αが紛れ込んでも、場違いだと目立つことも無さそうだ。

会場に入る前に、コンビニで買ったサンドイッチを空いていたベンチに座ってたいらげる。
今日勝って、明日の試合も見れそうならついでに見て帰るか。
負けても明日の朝帰ったら良いしな。
往復五時間かけて日帰りとか、腰が痛くなるわ。

スマホで、近くの笹部系列のホテルを探して予約。
親父にも、そこに泊まることを連絡。
まぁ、これで問題はねーだろう。

試合開始時間が来たので、会場に入る。
茅野学園の垂れ幕が見えたから、あの辺に行けば間違いねーな。

階段を上がり、二階席の空いている場所を探す。
バスケ部ユニホーム来た生徒が、ワーワー始まったばかりのコートに声を張り上げている。
その後ろにいんのは、選手の家族か?
あっこから少し離れた場所にしとくか。

・・・あ、アイツも来てんのか。

こっちはフェロモンを出して無かったが、気配で先に察していたらしい。
格上αに対する防衛本能みたいなもんだな。

俺が立っている通路を下った先で、こちらを振り向いて見上げていた桂木が頭を下げる。
βの三枝に告白して、菊川に挨拶までしてきた物好きな一年のα。

こんなとこまで、ご苦労なこった。
アイツも呼ばれてきた口か。
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