ヘタレαにつかまりまして ２

19 夏休み side 陸

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どうも様子がおかしい・・・群れを管理する気も、まして、他人の機嫌もどうでもいい俺でもさすがに気付く。　

プールのど真ん中で、ガボガボ溺れ出した三枝を引き揚げゲホゲホむせてるアホを肩に担いでプールサイドに向かう。
授業中は、余裕で泳げるようになってた平泳ぎが、息継ぎにでも失敗したのか沈んでったんだよな。
今日の三枝は、全然集中してねぇ。
泳ぎに来たのか、溺れに来たのか、今日の三枝は全くヤル気がない。

夏休みに、わざわざ頼まれて泳ぎ方を教えに来てやったのに三枝は出会った時から挙動不審だ。
いつもなら、俺が多少遅刻してもジュースとあとなんかつまみながら待ってんのにな。
今日は、ソワソワ出入り口の外で待っていた。

コイツは、アホか？
帽子も被らず、木陰にも入らず、何してんだ？

横断歩道を渡ってる途中で気が付いて、そこから走ったんだが意味無かったかもな。
照り付ける陽射しのせいか、これまでの部活でかはわかんねぇけど、俺が三枝の前まで階段ダッシュで駆けつけたときには、服の外の肌は赤くなっていた。
顔なんて、ゆでダコ。
約束してた時間より、半時間遅れたにしては赤すぎる。
一体何時から外で待ってたんだ？


「お前なぁ、こんな暑い日に外で待ってたらぶっ倒れるぞ？」


三枝から貰った帽子で仰いでやりながら、さっさとホテルの中に入ろうと歩き出したんだが着いてこない。
おい、もう意識までやられてんのかよ？