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18 運命の人
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頼子さんは、笑いながら顔の前で手を振る。
「かまへん、かまへん。
渡から、かなちゃんのことはよぅ聞いてるし、渡のことを心配してくれてるのは今日で十分伝わってきてるもん。
正直な。
うちもみち君も、周りにいるんはβばっかりやしな。
群れのこととかわかってへんのよ。
おんなじΩのかなちゃんやみこちゃんがな。
渡の側に居てくれるだけで、おばちゃんは心強いねん。
それに、渡のこと信用してるし、むちゃくちゃなこともせぇへんと思ってるしな。
かなちゃんも、そんなに固くならんでえぇよ」
ふふふっと笑う顔は、三枝そっくり。
道成さんも、にこにこ穏やかな笑顔を向けてくれる。
この笑顔があれば、何があってもなんとかなるで済ませてしまえそうだ。
三枝も、つられてふふふっと笑っている。
「では・・・」と、遥馬さんはどの日でも良いと言ってくれたので離れに来て貰う日程を確認をする。
やはり、近ければ近い方が良いだろう。
樟葉は黙って見ているだけだったが、来週の三枝が部活も予定も入れていない日に決まった。
スケジュールを確認するときに、笹部や桂木と夏休みに既に会う約束をしていることもわかったが・・・どこまで俺が介入すべきなのか、正直わからない。
俺としては、桂木とは二人きりで会わない方が良いと思うんだが、「お土産を渡すねん」とあっさり言われると、下手に何か言って意識しても困るしな。
そのあたりは、ヤマに聞いてもアドバイスを貰えそうにないからな。
萩野にこっそり聞いてみるか。
「二人の家に車を向かわせるよう手配するから、約束の半時間前には準備をしておいて」
二台出してもらって、それぞれ迎えに行って貰うとしよう。
「車でお迎えまでしてくれんの?
ありがとう~」
「・・・へ?」
へ、ってなんだ?
二人の反応が違いすぎる。
三枝は、菊川家の送迎車が気に入っているからいつも通り嬉しそうなんだが。
樟葉は、まるで何も聞いていなかった顔でぽかんと口を開けていた。
「かまへん、かまへん。
渡から、かなちゃんのことはよぅ聞いてるし、渡のことを心配してくれてるのは今日で十分伝わってきてるもん。
正直な。
うちもみち君も、周りにいるんはβばっかりやしな。
群れのこととかわかってへんのよ。
おんなじΩのかなちゃんやみこちゃんがな。
渡の側に居てくれるだけで、おばちゃんは心強いねん。
それに、渡のこと信用してるし、むちゃくちゃなこともせぇへんと思ってるしな。
かなちゃんも、そんなに固くならんでえぇよ」
ふふふっと笑う顔は、三枝そっくり。
道成さんも、にこにこ穏やかな笑顔を向けてくれる。
この笑顔があれば、何があってもなんとかなるで済ませてしまえそうだ。
三枝も、つられてふふふっと笑っている。
「では・・・」と、遥馬さんはどの日でも良いと言ってくれたので離れに来て貰う日程を確認をする。
やはり、近ければ近い方が良いだろう。
樟葉は黙って見ているだけだったが、来週の三枝が部活も予定も入れていない日に決まった。
スケジュールを確認するときに、笹部や桂木と夏休みに既に会う約束をしていることもわかったが・・・どこまで俺が介入すべきなのか、正直わからない。
俺としては、桂木とは二人きりで会わない方が良いと思うんだが、「お土産を渡すねん」とあっさり言われると、下手に何か言って意識しても困るしな。
そのあたりは、ヤマに聞いてもアドバイスを貰えそうにないからな。
萩野にこっそり聞いてみるか。
「二人の家に車を向かわせるよう手配するから、約束の半時間前には準備をしておいて」
二台出してもらって、それぞれ迎えに行って貰うとしよう。
「車でお迎えまでしてくれんの?
ありがとう~」
「・・・へ?」
へ、ってなんだ?
二人の反応が違いすぎる。
三枝は、菊川家の送迎車が気に入っているからいつも通り嬉しそうなんだが。
樟葉は、まるで何も聞いていなかった顔でぽかんと口を開けていた。
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