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18 運命の人
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「大丈夫、大丈夫!
笹部さんとこは、鼻がめっちゃ利く家系なんやて。
発情期が来る前のな、他のαが気がつかへん微かな発情フェロモンの匂いに気付けるし、自分のΩの匂いは特別やからそこで分かるって話なん」
「だから、そんな怖い顔をせんで大丈夫っ」と声を弾ませられても・・・
これが、松野や柴田ならともかくあの笹部だ。
笹部に関して全く信用出来ない俺は、「それなら安心ですね」とは言えないな。
うっかり匂いに気付かないとか、勘違いしてスルーするとか普通にありそうなんだが。
だいたい、笹部以外にも萩野のように特別な鼻を持つαはいるんだ。
他のαに、先を越される可能性だってあったんだからな。
茅野学園に通うαが、全員混在したバース性の教育や環境に好意的でもないし。
αより目立っている三枝が、Ωと分かればどんな感情をもたれるかわからない。
頼子さんや道成さん、それに笹部の両親は自分達が用意した再会の場所に安心しきっているようだがそれはどうだろうか。
俺としては、もっと三枝がΩであることへの危機感を持って欲しかったが、この件に関してはそれ以上の追求を止めた。
今更言っても仕方がないと言うこともあるが、変異種Ωの息子のことを二人なりに考えた結果茅野学園に入れていることは伝わって来たからだ。
それに、これから先は、俺が直接三枝を守ってやれるしな。
俺が原因じゃないとわかったが、三枝は俺の危機を救ってくれた恩人。
桜宮家として、三枝に返しきれない恩があるんだ。
父さんも母さんも、手を貸すことに関しては止めないだろう。
「自分のΩやなんて~」と、顔を赤らめて喜んでいる三枝に突っ込みたくはなるが。
もう一度、起こしてやりたくなるが。
まぁ、この状況に当事者が納得しているなら・・・仕方ない。
自分の相手が笹部だと言うことを、三枝はあっさりと受け止めてしまっているし。
そんな三枝を、頼子さんも道成さんもニコニコ笑顔で見守っている。
笹部さんとこは、鼻がめっちゃ利く家系なんやて。
発情期が来る前のな、他のαが気がつかへん微かな発情フェロモンの匂いに気付けるし、自分のΩの匂いは特別やからそこで分かるって話なん」
「だから、そんな怖い顔をせんで大丈夫っ」と声を弾ませられても・・・
これが、松野や柴田ならともかくあの笹部だ。
笹部に関して全く信用出来ない俺は、「それなら安心ですね」とは言えないな。
うっかり匂いに気付かないとか、勘違いしてスルーするとか普通にありそうなんだが。
だいたい、笹部以外にも萩野のように特別な鼻を持つαはいるんだ。
他のαに、先を越される可能性だってあったんだからな。
茅野学園に通うαが、全員混在したバース性の教育や環境に好意的でもないし。
αより目立っている三枝が、Ωと分かればどんな感情をもたれるかわからない。
頼子さんや道成さん、それに笹部の両親は自分達が用意した再会の場所に安心しきっているようだがそれはどうだろうか。
俺としては、もっと三枝がΩであることへの危機感を持って欲しかったが、この件に関してはそれ以上の追求を止めた。
今更言っても仕方がないと言うこともあるが、変異種Ωの息子のことを二人なりに考えた結果茅野学園に入れていることは伝わって来たからだ。
それに、これから先は、俺が直接三枝を守ってやれるしな。
俺が原因じゃないとわかったが、三枝は俺の危機を救ってくれた恩人。
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父さんも母さんも、手を貸すことに関しては止めないだろう。
「自分のΩやなんて~」と、顔を赤らめて喜んでいる三枝に突っ込みたくはなるが。
もう一度、起こしてやりたくなるが。
まぁ、この状況に当事者が納得しているなら・・・仕方ない。
自分の相手が笹部だと言うことを、三枝はあっさりと受け止めてしまっているし。
そんな三枝を、頼子さんも道成さんもニコニコ笑顔で見守っている。
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