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「でも、その子、今はスラッと変わってるやろ?
向こうの孕親さん、千里さんっ名前で元αなんやけどな。
まだ、その後のことどうするか決められへんかったときにな。
その人とよぅ電話で話してて。
互いにこの写真は持ってたしな。
この外見もネックですよねって、申し訳なさそうに言うて。
小さいときは、幾ら注意してもジジババと父親が山ほど買い与えるからその時はブクブクしてますが、今は少しずつ痩せて来てますからって聞いてたんやけどなぁ。
正直、ブクブクなまんまやったら、いくら引き寄せられてもあかんのちゃうかなって心配しててん。
ほら、渡、うちに似て面食いやし」
三枝が持っている写真を指差して、頼子さんは肩を竦めるが、三枝はなんのことかわからずきょとんとしている。
恐らく、三枝はまだ気付いていない。
俺は、先程から埋めても消しても涌き出てくる嫌な予感が的中しそうな気配に、キリキリ痛み出した胃を押さえているというのに!
至近距離で、マシンガンどころかロケットランチャーを構えられているのに、三枝は無防備な上に棒立ちだ。
この衝撃に、耐えられるのか?
まだ、全く知らないふくよかなαの方が良いんじゃないか?
「去年、茅野学園に渡が無事に合格したからね。
もう、あとは時間の問題だろうって、入学式の後に一足早く親同士で直に会って互いの家族写真を交換したんだ。
あのときの衝撃は、忘れられないよ。
渡も、信じられないだろう?
その子が、あの陸君なんて」
・・・さらっと、道成さんが投下した爆撃に。
隣で三枝が、ヒュッと息を飲んだのが聞こえた。
怖くて三枝の顔が見れない。
顔面蒼白で済むだろうか?
やっぱりなのか、と。
そうなのか、と。
予想して身構えていた他人の俺でも、一瞬で穴だらけにされた気分だ。
くっっ、よりによって、アレが三枝の番なのかぁぁぁあっっ
「かなちゃん、かなちゃん、陸君って?
僕も知ってるぅ?」
あぁ、ここには更に三枝を上回る鈍感な人間がいた!
ツンツンと、服を引っ張られ半目で見返す。
ランチを一緒にすごしている、群れの人間のフルネームくらい覚えてやれ。
「知ってるも何も、笹部のこ・・・」
「きゃぁあああーーーーーっ」
樟葉への返答は、背後の三枝の絶叫で掻き消された。
向こうの孕親さん、千里さんっ名前で元αなんやけどな。
まだ、その後のことどうするか決められへんかったときにな。
その人とよぅ電話で話してて。
互いにこの写真は持ってたしな。
この外見もネックですよねって、申し訳なさそうに言うて。
小さいときは、幾ら注意してもジジババと父親が山ほど買い与えるからその時はブクブクしてますが、今は少しずつ痩せて来てますからって聞いてたんやけどなぁ。
正直、ブクブクなまんまやったら、いくら引き寄せられてもあかんのちゃうかなって心配しててん。
ほら、渡、うちに似て面食いやし」
三枝が持っている写真を指差して、頼子さんは肩を竦めるが、三枝はなんのことかわからずきょとんとしている。
恐らく、三枝はまだ気付いていない。
俺は、先程から埋めても消しても涌き出てくる嫌な予感が的中しそうな気配に、キリキリ痛み出した胃を押さえているというのに!
至近距離で、マシンガンどころかロケットランチャーを構えられているのに、三枝は無防備な上に棒立ちだ。
この衝撃に、耐えられるのか?
まだ、全く知らないふくよかなαの方が良いんじゃないか?
「去年、茅野学園に渡が無事に合格したからね。
もう、あとは時間の問題だろうって、入学式の後に一足早く親同士で直に会って互いの家族写真を交換したんだ。
あのときの衝撃は、忘れられないよ。
渡も、信じられないだろう?
その子が、あの陸君なんて」
・・・さらっと、道成さんが投下した爆撃に。
隣で三枝が、ヒュッと息を飲んだのが聞こえた。
怖くて三枝の顔が見れない。
顔面蒼白で済むだろうか?
やっぱりなのか、と。
そうなのか、と。
予想して身構えていた他人の俺でも、一瞬で穴だらけにされた気分だ。
くっっ、よりによって、アレが三枝の番なのかぁぁぁあっっ
「かなちゃん、かなちゃん、陸君って?
僕も知ってるぅ?」
あぁ、ここには更に三枝を上回る鈍感な人間がいた!
ツンツンと、服を引っ張られ半目で見返す。
ランチを一緒にすごしている、群れの人間のフルネームくらい覚えてやれ。
「知ってるも何も、笹部のこ・・・」
「きゃぁあああーーーーーっ」
樟葉への返答は、背後の三枝の絶叫で掻き消された。
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