ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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だが。

さすがにこの相手までは受け入れがたいんだろう。

三枝は、両手で持った写真に目を落とし複雑な顔で溜め息。
番信仰の三枝は、自分をΩに変えた相手をなんとか受け入れようとしてるようだが眉間のシワは深く刻まれ、写真を持つ指はソワソワ所在投げに動きを止めない。

さっきも、男は無理だと言ってたしな。
番相手に恋愛感情を絡ませたい三枝には、ハードルが高過ぎる。
男で、しかもこのコロコロしたのが相手なんてショックだろう。

αは外見も恵まれる筈だが、ここまで太っていると土台の跡形もない。
風船のように膨れた顔が、今はカボチャくらいにはなっているんだろうか。
縦に伸びる分、横に広がっているのかもしれない。

・・・あぁ、そうだ。
コレがアレな訳がない。
三枝と違って、コレのどこにも面影は無いしな。
中等部で出会ったアレは、こんなにブクブクしてなかった。
黙っていれば、それなりに見えていたしな。


「変異種Ωは、相手のαが近くにいないと発情期を向かえないんだ。
かといって、他のαの番にならないわけじゃないんだけどね」

「渡が川に落ちてから、じぃちゃんのとこにも行かせんと、ずっとその子と会わせんようにしててん。
バース性のことは、パスポートとか自分でバース性証明取りに行く機会もあるし、いつか本人には言わなあかんとは思ってたけどな。
発情期さえ来んかったら、βと変わらんままやし」


俺達のような先天的Ωと違い、変異種Ωは他のαの手に落ちないようにそのαが発情期前から囲っているわけか。
なんとも、αに都合が良い存在だな。
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