ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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直ぐに話してくれるのかと期待したんだが、頼子さんは「ちょっと待っとってな」と椅子から立ち上がり、一旦リビングから他の部屋に出ていってしまった。
道成さんが、その間にお茶を入れ直してくれる。

喉がカラカラだったから、一気に飲み干し追加で注いで貰った。
時間差はあったが、三枝も樟葉もゴクゴク喉を鳴らして飲み干していたので、注いで貰っている間三人で笑ってしまった。

緊張が続いていたから、些細なことが楽しく感じてしまう。
これからどんな話をされるのかわからないけれど、俺達は一蓮托生だ。
責任を取るという気持ちは、三枝が変異種Ωとわかってからずっと変わらない。

何を言われても、俺が必ず三枝を守る。
いや、言葉に甘えて御両親と樟葉の力も借りながら四人で三枝を守ろう。
桜宮家に力はあっても、三枝に寄り添う力はないからな。
生まれてから、そして小学生ではないにしろ変異種Ωとわかってからも三枝を育ててきた御両親以上に力強い味方いないし。
俺よりこういった場面で落ち着いて対応出来る樟葉は心強い味方だ。


「お待たせ~
なんや、話すのに難しい言葉があってな。
うちの頭では覚えてられへんかったし、ここにメモしててん」


戻ってきた頼子さんの手には、掌サイズの母子手帳。
どうやら、三枝のものらしい。
俺も菊川家に住む際に持たされていたが、表紙のイラストが違っていた。
これは住んでいた市で違うんだったか?

頼子さんは、椅子に座ると早速表紙を開いて目当てのページを探すために捲り始める。
道成さんは、隣から覗き込み「最後の方だったんじゃないかな?」と後ろから開くように勧めてくれている。
頼子さんが、後ろから捲り直すと、直ぐにそのページは出てきたようだ。
「ふむふむ」と二人でそこに書かれているであろう文字を眺めてから、俺達に向き直った。
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