ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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小学生、だって?!


「そんなこと有り得ない!」


明らかに嘘だとわかる内容に苛立ち、気が付いたら立場も忘れてテーブルに力一杯両手をついていた。
その振動と音に、テーブル上で茶器が揺れ、残っていたお茶が危うく溢れそうになる。

俺の剣幕に四人は驚いて固まっているが、黙っていられなかった。

俺の負担にならないよう、話を作ろうとしたんだろうけれど、内容がお粗末すぎる。
もし、小学生で変異種Ωが判明していたと仮定して・・・本人がこの年になるまで、発情期に気付かず過ごせるわけがない。
万一、発情期前に処方を偽り薬を内服させていたとしても、だ。
自覚が無い子どもを、バース性混在の茅野学園に編入させる親がどこにいると言うんだ!


「か、かなちゃん・・・?」


当の本人が恐々俺に話しかけてくるが、黙っていろと手で制した。
この件について、うやむやにしたくない。


「私への配慮、お気遣いはいりません。
息子さんの一生に、取り返しがつかないことをしてしまいました。
出来うる限りのことをさせてください!」


御両親に強い意志で迫る。
俺の気迫に、三枝はごくりと喉を鳴らし黙った。
樟葉は、俺の服の裾を引っ張り「お、落ち着いてぇ」と言ってくるが、俺は充分落ち着いている!

三枝の御両親は、困り顔。
肩を寄せてコソコソ話し合う。


「どうしよう・・・かなちゃん、全然信じてくれへんやん」

「先生から連絡来てた、ほら、風紀委員長任命前くらいに話しておいた方が良かったんじゃないかなぁ」

「えぇーーーっ、そんなんロマンチックやないしぃ」


ロマンチックってなんだ?!
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