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頼子さんの声は、まるで根拠のない噂話を否定するような気安さだった。
俺の言葉を正面で受け止めたのに、少しも信じようとしていない。
まるで、他に揺るぎない根拠を知っているような自信さえ感じるのは、気のせい、いや、俺がそう感じたいだけなのかもしれない。
この期に及んで、俺が相手の気遣いに甘えてどうする!
気を引き締め、膝に頭がつくくらい頭を下げ直した。
現在の研究成果では、変異種Ωになる原因、その仕組みについて、未だに解明されていない。
もし、解明されているなら、萩野が病院で動き原因まで俺に知らせただろう。
だが、三枝のケースなら、俺のせいと断定するべき案件だ。
俺が原因だと確かに証明は出来ないが、それ以外の可能性をあげる方がもっと難解。
三枝がβしか通えない中学校を卒業し、バース性混在の茅野学園に入学して今に至る。
この期間中、俺が関わった以上の大きな変化は三枝には無いんだ。
頼子さんが即否定してしまえるのは、以前から息子がΩであることを受け入れた母親の強さも関係しているのか?
原因である俺を、庇おうとしてくれているんだろうか。
「いえ、ですが、それくらいしか最近の三枝に変化はないと思うんです」
このときの俺は、余裕がなく。
いつも通り三枝と呼んでしまっていたが、それにさえ気付けていなかった。
「お前のせいで、息子の一生が滅茶苦茶だ」と罵しって、少しでも気が晴れるなら是非そうして欲しい。
いや、ただ俺が罵られ少しでも楽になりたいだけなのかもしれない。
「そんなん、かなちゃんのせいとかわからへんやん!
うぅ・・・もぉ、顔を上げてぇなぁあぁ」
頭を下げたままの俺の耳に、三枝の嗚咽が届く。
三枝を泣かせてしまったのか。
三枝は、優しいからな。
俺のために泣いてくれるのか・・・Ωだとわかってから泣いていたのも、親に悪いと相手を思っての涙だったんじゃないか?
自分のために泣いても良いのに。
俺の言葉を正面で受け止めたのに、少しも信じようとしていない。
まるで、他に揺るぎない根拠を知っているような自信さえ感じるのは、気のせい、いや、俺がそう感じたいだけなのかもしれない。
この期に及んで、俺が相手の気遣いに甘えてどうする!
気を引き締め、膝に頭がつくくらい頭を下げ直した。
現在の研究成果では、変異種Ωになる原因、その仕組みについて、未だに解明されていない。
もし、解明されているなら、萩野が病院で動き原因まで俺に知らせただろう。
だが、三枝のケースなら、俺のせいと断定するべき案件だ。
俺が原因だと確かに証明は出来ないが、それ以外の可能性をあげる方がもっと難解。
三枝がβしか通えない中学校を卒業し、バース性混在の茅野学園に入学して今に至る。
この期間中、俺が関わった以上の大きな変化は三枝には無いんだ。
頼子さんが即否定してしまえるのは、以前から息子がΩであることを受け入れた母親の強さも関係しているのか?
原因である俺を、庇おうとしてくれているんだろうか。
「いえ、ですが、それくらいしか最近の三枝に変化はないと思うんです」
このときの俺は、余裕がなく。
いつも通り三枝と呼んでしまっていたが、それにさえ気付けていなかった。
「お前のせいで、息子の一生が滅茶苦茶だ」と罵しって、少しでも気が晴れるなら是非そうして欲しい。
いや、ただ俺が罵られ少しでも楽になりたいだけなのかもしれない。
「そんなん、かなちゃんのせいとかわからへんやん!
うぅ・・・もぉ、顔を上げてぇなぁあぁ」
頭を下げたままの俺の耳に、三枝の嗚咽が届く。
三枝を泣かせてしまったのか。
三枝は、優しいからな。
俺のために泣いてくれるのか・・・Ωだとわかってから泣いていたのも、親に悪いと相手を思っての涙だったんじゃないか?
自分のために泣いても良いのに。
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