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16 社宅
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だが。
いつまでも、手をこまねいている場合じゃない!
ここに来たのは、世間話をするためじゃないからな!
しかも、今頼子さんが話題に出してくれた「番避け」は、ちょうど話したいことの足掛かりになる!
俺は、思いきって頼子さんの話に割って入った。
「その、番避けのことでお話が!」
タイミングを見計らうのに緊張したせいだろう。
思った以上に大きな声が出てしまい、テーブルに座っていた三人から驚いた顔をされてしまった・・・
俺の正面に座っていた頼子さんの話も止まったから、結果的には良しとしよう!
トレイをキッチンへ片付けに行っていた三枝も、俺の声を聞き付け、俺と樟葉の間に小走りで戻ってくる。
顔を見上げると、緊張してはいるが病院ほど青冷めてはいない。
ここまで来たら、話すしかないんだと腹を括ったのかもしれないな。
三枝は、固い表情のまま頼子さんと道成さんの顔を順に見て、コクンと深く頷いた。
このとき。
俺と樟葉は、事前になんの相談もしていなかったんだが。
同じタイミングで、三枝の手をそれぞれ握っていた。
自分達がついていると、少しでも三枝に伝わればいい。
βとして生まれたのに、Ωになってしまった三枝。
御両親にそれを言わなければならない辛さや苦しみ、なにより不安は、想像するよりも大きいに決まっている。
Ωになった三枝を、変わらず受け入れてくれるのか。
俺は本人じゃないのに、心臓がバクバク破裂しそうな勢いで鳴り出して倒れてしまいそうだ。
身体が震えているのは、俺なのか、三枝なのかもわからない。
きっと、二人とも。
いや、三人が震えているんだろう。
握った三枝の手は、冷たく、汗でしっとりとしていた。
いつまでも、手をこまねいている場合じゃない!
ここに来たのは、世間話をするためじゃないからな!
しかも、今頼子さんが話題に出してくれた「番避け」は、ちょうど話したいことの足掛かりになる!
俺は、思いきって頼子さんの話に割って入った。
「その、番避けのことでお話が!」
タイミングを見計らうのに緊張したせいだろう。
思った以上に大きな声が出てしまい、テーブルに座っていた三人から驚いた顔をされてしまった・・・
俺の正面に座っていた頼子さんの話も止まったから、結果的には良しとしよう!
トレイをキッチンへ片付けに行っていた三枝も、俺の声を聞き付け、俺と樟葉の間に小走りで戻ってくる。
顔を見上げると、緊張してはいるが病院ほど青冷めてはいない。
ここまで来たら、話すしかないんだと腹を括ったのかもしれないな。
三枝は、固い表情のまま頼子さんと道成さんの顔を順に見て、コクンと深く頷いた。
このとき。
俺と樟葉は、事前になんの相談もしていなかったんだが。
同じタイミングで、三枝の手をそれぞれ握っていた。
自分達がついていると、少しでも三枝に伝わればいい。
βとして生まれたのに、Ωになってしまった三枝。
御両親にそれを言わなければならない辛さや苦しみ、なにより不安は、想像するよりも大きいに決まっている。
Ωになった三枝を、変わらず受け入れてくれるのか。
俺は本人じゃないのに、心臓がバクバク破裂しそうな勢いで鳴り出して倒れてしまいそうだ。
身体が震えているのは、俺なのか、三枝なのかもわからない。
きっと、二人とも。
いや、三人が震えているんだろう。
握った三枝の手は、冷たく、汗でしっとりとしていた。
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