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16 社宅
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恋愛小説を読み込んでいる三枝らしく、番については驚くべき順応性を発揮して妄想までしていたが。
いざ、帰宅して親に打ち明ける段階までくると話は違うようだ。
病院から出ようと腰をあげたら、完全に尻込み。
三枝から、自分一人では心細すぎると涙目で頼み込まれ、病院を出た俺達はそのまま四人で三枝の家へ向こうことになった。
三枝の御両親も、今日は休日でこの時間は在宅とのこと。
今から帰ると、三枝が事前に連絡をして確認済みだ。
「あぁ、もぅ、気持ち悪ぅなってきたぁ」
三枝は、車が走り出すと後部座席でお腹を抱え不調を訴える。
Ωの人権解放運動が活発になっていても、Ωだとわかった途端、未だに棄てられる子どもがいるからな。
βと思って育ててきたのに、それがΩになっていたんだと分かればどんな反応をされるのか想像がつかない。
遥馬さんの場合は、今も交流があるがこの場合参考にはならないしな。
父親と兄の職場が、菊川家という特殊事情だ。
三枝も、自分の親なら大丈夫だと流石に思いきれないんだろう。
原因も時期もはっきりしないから、どう打ち明けるかも難しい。
今はただ、Ωになっていた事実をそのまま話すことしか出来ない。
もし、これで三枝が勘当されるようなことになったら。
ミラー越しに、後部座席の三枝を盗み見る。
隣に座った樟葉の手を握り、緊張で顔も身体もガチガチに強ばっている。
それが移ったんだろうか。
俺も緊張で手が震え出した。
責任は、俺が取る。
何が起こっても、俺が三枝を必ず守る。
いざ、帰宅して親に打ち明ける段階までくると話は違うようだ。
病院から出ようと腰をあげたら、完全に尻込み。
三枝から、自分一人では心細すぎると涙目で頼み込まれ、病院を出た俺達はそのまま四人で三枝の家へ向こうことになった。
三枝の御両親も、今日は休日でこの時間は在宅とのこと。
今から帰ると、三枝が事前に連絡をして確認済みだ。
「あぁ、もぅ、気持ち悪ぅなってきたぁ」
三枝は、車が走り出すと後部座席でお腹を抱え不調を訴える。
Ωの人権解放運動が活発になっていても、Ωだとわかった途端、未だに棄てられる子どもがいるからな。
βと思って育ててきたのに、それがΩになっていたんだと分かればどんな反応をされるのか想像がつかない。
遥馬さんの場合は、今も交流があるがこの場合参考にはならないしな。
父親と兄の職場が、菊川家という特殊事情だ。
三枝も、自分の親なら大丈夫だと流石に思いきれないんだろう。
原因も時期もはっきりしないから、どう打ち明けるかも難しい。
今はただ、Ωになっていた事実をそのまま話すことしか出来ない。
もし、これで三枝が勘当されるようなことになったら。
ミラー越しに、後部座席の三枝を盗み見る。
隣に座った樟葉の手を握り、緊張で顔も身体もガチガチに強ばっている。
それが移ったんだろうか。
俺も緊張で手が震え出した。
責任は、俺が取る。
何が起こっても、俺が三枝を必ず守る。
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