ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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16 社宅

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「ヤマの家族については・・・三枝と会わせてもらえるか頼んでみないと分からないが、同じ変異種Ωになった人を紹介したいんだ。
その人が、一番三枝の不安とかこれから気を付けることがわかると思う」


これには、三枝の表情が初めてパーッと明るくなった。
同じ境遇の人間が近くにいるとわかって、心強いと思ってもらえたのかな。

よしっ
これは、なんとしても遥馬さんにお願いして清人さんを説得して貰わなければっ
遥馬さんなら、きっと三枝に会いたいと言ってくれるだろう。
問題は、家族でさえ遥馬さんに極力近付かせたくない清人さんの鉄壁の守りをどう解除してもらうかだ。

俺と樟葉は、生まれたときからΩ。
いくら力になりたくても、三枝がこれから直面することを想像することしか出来ないし、相談に応えることが出来るかも分からない。
遥馬さん以上に、三枝の相談相手に適した人は・・・


「おんなじΩになった人がおるんや!
話、してみたいっ
小説では出てくるけど、実際に変異種Ωやって人に会ったこと無いもんっっ」


両手を握り拳に変えて力説する三枝にビックリ。
興奮しすぎて、鼻の穴が膨らんでいる。
ん、顔も赤くなってないか?
・・・なんだろう。
三枝の反応が、思った以上に明るくなったのはいいことなんだが、不安だ。
安堵よりも、興味が先行していないか?
他人事じゃなく、自分のことなんだぞ??


「ん~、本人からわざわざ口外することはないからねぇ」


これには、樟葉も苦笑いで答えていた。
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