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三枝が、これからも呑気でいられるかどうかの今は瀬戸際だ。
Ωなら、Ω。
ただの勘違いとかで、βのままだったなら、β。
そう、ハッキリと教えてほしい。
この、どちらなのかわからない状況が一番困る。
三枝に、「そうか」と適当な相づちを打つ間も、萩野に意識は集中。
樟葉は、Ωだという確信があるからか、萩野には目を向けない。
三枝を、不安そうにチラチラ見ている。
「結論から言いますと・・・」
萩野は、そこで言葉を切り。
俺と目を合わせてから続けた。
「三枝様の目に、異常は見当たりませんでした」
・・・なっ
萩野は、書類を全て封筒に戻しながら、ニッコリと笑顔を三枝に向けた。
まずは、そっちから言うのかっ
おかしな間を開けるなっ
タメるなっ
「やっぱりどうも無かったんやぁ」
萩野の笑顔に、ふわふわ三枝の意識が取り込まれそうになっているのが目に見えてわかる。
三枝、どれだけ萩野を見る目にフィルターをかけてるんだ・・・
萩野も、面白がってないで早く教えてくれ。
バース性検査は、結局どうなんだ?
緊張で息苦しくなってくる。
俺は、隣の三枝に気付かれないように小さく息を吐く。
「急にな。
病院に来て、検査受けたけどドキドキしててん。
何事やろうって」
三枝は、俺と樟葉に向かってホッと胸を撫で下ろして見せた。
「なぁなぁ、かなちゃん。
俺、なんか心配されることあった?
問診で、別に目のこと聞かれてへんかったのに、なんで、先生に眼科って言われたんやろなぁ?」
首を傾げながら、至近距離で尋ねられた。
純粋な疑問をそのまま真っ直ぐぶつけられ、答えに詰まる。
どう話したら良いんだ?
と、言うか、萩野に早く俺が聞きたい。
三枝は、やはりΩなのか?
Ωなら、Ω。
ただの勘違いとかで、βのままだったなら、β。
そう、ハッキリと教えてほしい。
この、どちらなのかわからない状況が一番困る。
三枝に、「そうか」と適当な相づちを打つ間も、萩野に意識は集中。
樟葉は、Ωだという確信があるからか、萩野には目を向けない。
三枝を、不安そうにチラチラ見ている。
「結論から言いますと・・・」
萩野は、そこで言葉を切り。
俺と目を合わせてから続けた。
「三枝様の目に、異常は見当たりませんでした」
・・・なっ
萩野は、書類を全て封筒に戻しながら、ニッコリと笑顔を三枝に向けた。
まずは、そっちから言うのかっ
おかしな間を開けるなっ
タメるなっ
「やっぱりどうも無かったんやぁ」
萩野の笑顔に、ふわふわ三枝の意識が取り込まれそうになっているのが目に見えてわかる。
三枝、どれだけ萩野を見る目にフィルターをかけてるんだ・・・
萩野も、面白がってないで早く教えてくれ。
バース性検査は、結局どうなんだ?
緊張で息苦しくなってくる。
俺は、隣の三枝に気付かれないように小さく息を吐く。
「急にな。
病院に来て、検査受けたけどドキドキしててん。
何事やろうって」
三枝は、俺と樟葉に向かってホッと胸を撫で下ろして見せた。
「なぁなぁ、かなちゃん。
俺、なんか心配されることあった?
問診で、別に目のこと聞かれてへんかったのに、なんで、先生に眼科って言われたんやろなぁ?」
首を傾げながら、至近距離で尋ねられた。
純粋な疑問をそのまま真っ直ぐぶつけられ、答えに詰まる。
どう話したら良いんだ?
と、言うか、萩野に早く俺が聞きたい。
三枝は、やはりΩなのか?
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