ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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渡されたメニュー表から、どれにしようか、なんて選ぶ気分にもなれず。
俺と三枝は、二種類の日替わり定食をそれぞれ頼んでどちらか選べるようにした。
樟葉は、少食なのでお子さまランチ。
萩野は、部屋に設置されていた固定電話でここまで運んで貰えるように手配してくれた。

受話器を置いた萩野に尋ねる。


「萩野の分は、良かったのか?
このメンバーなら、気を使う必要ないぞ」

「いえ、大丈夫ですよ」


遠慮して、というわけでもないらしい。
萩野は、即答で断ってきた。
普段から謎が多いが。
これだけ長い間一緒にいても、食事する姿を見たことがない。


「萩野・・・いつ食事をしてるんだ?」

「適時、ですよ」


にこりと狐目を細めて答えられる。
萩野なら、数日くらい抜いても平気なんじゃないだろうか・・・と、思えてくるな。
優生αの域を越えたところに居そうだ。
だが、まぁ、そんなことは有り得ないか。
いざというときに、空腹で役に立たないようなことを萩野がするわけないしな。

萩野のプライベートついては、菊川家に来て初めて番がいることを知ったくらいだ。
こんな萩野の番をしているなんて、由良と呼ばれていたΩはどんな人間なんだろう。

仕事とは言え、Ωの俺を見下さず、礼儀をもって接してくれている。
教育方法はかなりスパルタだが、俺の限界を見抜いた上でのそれだからな。
自分の番に酷いことはしない、と・・・しないよな?

陽太さんと一緒に働いていたようだが、頑丈が決め手で選んだとか言ってた。
頑丈は、痛め付けたりするのに耐性があるとか、そんな意味なんだろうか?
だいたい、頑丈ってなんだ?
身体のことか?
精神力のことか?

・・・気を紛らわせるために、他のことを考えようとしたが、逆にモヤモヤが増えてしまった。
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