ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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14 修学旅行 side 倭人

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「ヤマ、先にどうぞ」


ありがとうとカナから受け取り、立ち上がる。
さっきまで、あんなにうっとり俺のフェロモンに酔っていたのに。
普段の顔に戻ってる。
樟葉も出てきたから、カナのまるでなんにも無かった顔って、仕方ないんだろうけど・・・部屋割り、番部屋にしたかったなぁ。

部屋割りで、真っ先に三枝や樟葉と同じ部屋に泊まれると喜んでいたカナ。
カナが班の部屋を希望したから叶えたのに、今更後悔とかしてしまう。
カナに喜んでもらえるのは嬉しいんだけど、自分もこうしたいって気持ちを完全に抑えられない。

毎日一緒にいて、一緒に居ない時間の方が断然短いし・・・誰よりカナと二人きりになってるって、頭では理解していても。
うん、もっと、もっと、独り占めしたいと欲張ってしまう。

あ~ぁ、俺、かなり子どもっぽいよなぁ。
こんなにカナに対して余裕がなくなるとか・・・一年生の時より、重症だ。

感情が顔に出ていたみたいだ。
カナは、「明日、帰ったら二人でゆっくり出来るだろう?」と苦笑い。
今日の就寝が遅い分、明日は10時にここを出発して帰るだけだ。
昼には屋敷に帰れる。

昼を食べたら、夕飯までカナと離れで二人きり。
カナも、きっと拒まずに俺を受け入れてくれるよな?


「期待してる」


カナの耳許で、わざと声に色艶を含ませ響かせる。
いっぱい、いっぱい、可愛いカナを俺にだけ見せて?
微笑んだら、耳を押さえた真っ赤なカナに「早く行けっ」と怒られた。
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