ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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14 修学旅行 side 倭人

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「も"~、ヤマ、十分だからっ」


抱き締めていたカナの涙声で我に返る。
カナのことばかり考えすぎていたせいか、無意識に追加してしまったフェロモンが、カナの周りだけじゃなく部屋中に満ちていた。
腕の力を緩めると、カナは耳や首まで赤くなっていた。


「本当に、もぅ、ヤマが俺を・・・その、大事にしてくれるのは伝わったから。
フェロモンを、緩めてくれ」


カナの周囲を取り巻くフェロモンは、カナにどれだけ俺がカナのことが好きか語るもの。
こんなに好きなんだから、どこにも行かないでとお願いする内容を含ませている。
カナ以外には、明確な拒絶。
「近付くな」と表示してる。


「本当に、わかってくれた?」

「ん、わかった・・・」


力なく、くったりと胸に顔を埋めたカナ。
強すぎたフェロモンに少し酔ってしまったんだろうか。
顔を覗くと、目には涙まで溜まっていてウルウルしてる。
あまりの可愛さに、目元にキスをしてしまった。

加減を忘れてつけすぎたな。
カナのことになると、暴走させたり、加減を忘れたり、小学生でもしないことをしてしまう。

こんなに俺のフェロモンまみれなのに、弱めるのがもったいないんだけど、仕方ないな。
二割くらい抑えたら、カナは身体を反転させて俺に背を預け、足と足の間にお尻を下ろした。
はぁ~と深い息をついたカナ。
後ろから見たら、うなじも耳の裏まで赤くなっていた。
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