ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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14 修学旅行 side 倭人

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「奏、お前・・・」

「分かってる、分かってるから何も言わないでくれ、秋良叔父さんっ」


カナは、俺の後ろに回って乱れた髪を直してたんだけど悔しそうに声を絞っていた。
桜宮は、「まぁ、二人がそれで良いなら」とあっさり引いたのに、カナ、このあとかなり深い溜め息をついていた。

同席していた向こうのαは、驚きすぎて頭が真っ白になってるようだったし。
スタッフは、ますます俺達の席を遠巻きにしていた。
近くに居合わせた茅野学園の生徒は、「またやってる」「相変わらずだなぁ」くらいの反応。

俺は誰に見られても気にしないし、寧ろ、こんなにカナは俺の特別だって見せびらかすようなものだし。
うん、カナも気にしないで良いのに。

別れ際。
桜宮から、「奏がΩなのも知らなかったし、心配だったんだ。ずっと会いたかったし、大切にされてるのが実際見れて嬉しかった」と言われた。
ついでみたいに、「今度は、お前が手合わせしてくれよ」と笑いながら誘われたが目は真剣。
カナを本当に託していいのか、値踏みも入ってるんだろう。

桜宮家の人間には、俺は予定外の番だしな。
この反応は仕方ない。
俺は黙って頷いた。
俺がカナの番になって良かったと思われるようになりたい。

俺達三人以外は、最後までα組、芝浦と柴田、向こうの生徒が居心地が悪そうだったが。
三枝が屈託なく話しかけて、会話はあったようだ。
「かなちゃんの知り合いの知り合いやったら、悪い人はおらんもん」と長閑な感想付き。
α同士の能力カーストが関係ないβらしい。
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