ヘタレαにつかまりまして ２

14 修学旅行 side 倭人

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｢奏、そんな可愛い顔、他の人に見せないで｣


本当に、本当に止めて欲しい。
今の俺は本当に余裕がないんだから。
カナに所有フェロモンをつけて、二人きりになれる場所に移動したくて堪らない。
誰にも見せたくないのを我慢してるのが辛すぎる。

あぁ、カナを俺の中に閉じ込めたい。

俺は、カナの赤く染まった耳に口を寄せてお願いする。
他の人に、カナの可愛さに気付いて欲しくないんだ。


｢なっ、もっっ、何を言い出すんだ！｣


カナはビクッと身体を震わせて、塞いでいる掌を掴んで下ろそうとする。
ダメだってば。
カナがいくら力をいれても、俺の力には敵わない。
でも、カナから止めて欲しいんだ。
無理矢理もよくないし、カナのピンクに染まったうなじにもう一度キスをする。
カナ、ここが弱いみたいなんだよな。
ここにキスしたら、固まっちゃうのが可愛い。

カナは、予想通り動きを止めてくれた。
ニヤニヤまだ見てくる桜宮を睨むが、俺の反応も面白がって目を逸らそうとしない。
柴田と芝浦は、さっきから背を向けて関わらないよう気を使っているのに、俺のカナをまだ見てくるのか。