ヘタレαにつかまりまして ２

14 修学旅行 side 倭人

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α社会では、地位や名声よりフェロモンでの格付け結果が優劣を決める。
ただし、それより優先されるのは、群れ内部の統率リーダーが上位であること。

例えば、俺が属している母さん筆頭のファミリータイプ。
フェロモンだけで考えたら、俺を含む子どもの方が母さんより優秀だ。
でも、群れに属している間だけは、フェロモンの格付けよりリーダーが上位。
母さんの群れから独立する意思がなければ、歯向かえない。

そんな身内を除けば、フェロモンの強さだけで敗北を感じたのは萩野さんが初めてだった。
あれは、トラウマになる。
自分が強いαだと自覚していただけに、マウントされる側に回ることなんて一度も考えたことがなかったし。

自分の能力に、どれだけ自分があぐらをかいていたのかよくわかった。
いくらフェロモンが強くても、操作できないんじゃハリボテだ。
萩野さんのフェロモンに対抗するために、自分のフェロモンを出すことも出来なかったしな。

心身、フェロモン、全てを完全にマウントされた。
完膚なきまでの敗北だった。