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13 修学旅行

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芝浦、暫く、何も食べられなくなるぞ・・・
手加減はしてるだろうから、内臓破裂なんてことは無いだろうが、吐き気が止まらないはずだ。
それでも拳を収めず、腹を押さえながら芝浦が地面に片手をつき立ち上がろうとすると、その身体が淡い光を帯びた。

・・・フェロモン、では、ないよな?
身体全体が発光しているが、匂いも、プレッシャーも感じない。
光るフェロモンなんて、聞いたことはないし。

戸惑う目の前で、立ち上がった芝浦は腹部から手を離して秋楽に向かい拳を繰り出す。
まるで、ダメージなんてなかったような軽いフットワークに、秋楽も避けるのが遅れてギリギリでかわしていた。
秋楽を柴田と前後から挟み撃ちにする芝浦。
その背後から伸びてきた光る糸が、繭のように身体を優しく包んでいく。


「なんだ・・・?」

「?
カナ、何かされてるのか?」

「いや、俺じゃなくて、芝浦が」


ヤマにはあれが見えていないのか?
光の糸を指を差しても、ヤマは首を傾げるだけだった。
秋楽は、Ωだけに的を絞ったフェロモンを使うような人間じゃないし、やはりこれはフェロモンではない、よな?

二人の攻撃を避ける秋楽も、柴田も。
光ったままの芝浦も。
全くこの光景を気にするそぶりがない。
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