ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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13 修学旅行

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「みこちゃん、何買ったん?」

「フフフ・・・姉上に、シャーペンを買ったんだぁ。
姉上、今年受験だしねぇ。
勉強でいっぱい使ってくれるかなぁってぇ」


土産を入れたリュックを背中で揺らし、ニコニコ笑う樟葉。
前髪で隠れていても、今では口元だけで樟葉がどんな顔をしているのかわかるようになった。
三枝も、ニコニコ笑い返す。


「樟葉先輩、神道学科に進みたいんやんなぁ。
学科がある大学が少ないし大変なんやろ?」

「そうなんだよぉ・・・」


樟葉は当人のように悲壮な顔で三枝に頷く。
神道学科は、誰もが選ぶような科ではないから受験者数は他と比べて少ない。
だが、元々の大学が少ないからな。
倍率は、どうしても高くなる。
樟葉先輩は、生徒会の雑談中に神道学科以外を受けるつもりは無いのだと言っていたな。
杉本先輩は、国公立の文系大学へ推薦が決まっているし。
檜山先輩は、美容の専門学校で合格率は89%だから心配していないらしい。

俺達も、年明けには進路希望が聞かれるからな。
ヤマと詳しく話を詰めないといけない。

気持ちを樟葉達に戻すと、樟葉の笑顔がすっかり消えてなくなり口はへの字に下がっていた。
勉強が苦手な樟葉にとって、受験の二文字は口にするだけでダメージを受けるようだ。
芝浦から、「今日は楽しむんだろ?」と額を指でつかれ笑みが戻る。

俺達はショップの外に出て、マップを広げながら昨夜決めた順に沿ってアトラクションを回り始めた。
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