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13 修学旅行
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それにアイテム追加で可愛いまで持ち出してくるなんて、なんてヤツだっ
修学旅行先でも、ヤマが周りに注目されるのは昨日の観光地でも身に染みてわかったが。
学生の集団の中にいるからか、一般観光客とは距離もあるし、チラチラ見られるだけで近寄ってくる人間はいなかった。
だが、ここにいるのは、修学旅行で浮かれている生徒と引率の教師だけ。
優等学園とは姉妹校としての交流もあるし、距離感は近い。
向こうのα女子に目をつけれたらどうするんだ!
無意識に俺はヤマを睨んでいたらしい。
ヤマは、オロッと表情を崩し慌て出した。
「え、似合わない?
俺、カナとお揃いにしたいんだけどなぁ」
「え、菊川君、似合ってるで?
かなちゃん、こういうのあかんかったん?
いややのに、俺、無理矢理つけさせようとしてた?」
三枝にごめんと謝られ、慌てて否定。
こんなことで、嫉妬してる場合じゃなかった。
こちら側の二年生には、ヤマと俺の間に今更入ってこようとする人間はいないだろうしな。
あちらの生徒は、プライドが高い分、番のΩのことをこんなに気にするヤマを見たら・・・うん、距離を置くだろう。
あとは、ヤマの写真撮影を断れば大丈夫、大丈夫だ。
どこにも流出しない。
否定しながら、棚に近いヤマにお願いして自分の着けているリボンをヤマと同じシルクハットに交換してもらう。
お揃いにするなら、リボンじゃなくても良い筈だ。
ヤマは黒耳、俺は白耳の色違い。
鏡の前で二人並べば、先程までの心配を忘れて自然と笑顔が溢れる。
修学旅行先でも、ヤマが周りに注目されるのは昨日の観光地でも身に染みてわかったが。
学生の集団の中にいるからか、一般観光客とは距離もあるし、チラチラ見られるだけで近寄ってくる人間はいなかった。
だが、ここにいるのは、修学旅行で浮かれている生徒と引率の教師だけ。
優等学園とは姉妹校としての交流もあるし、距離感は近い。
向こうのα女子に目をつけれたらどうするんだ!
無意識に俺はヤマを睨んでいたらしい。
ヤマは、オロッと表情を崩し慌て出した。
「え、似合わない?
俺、カナとお揃いにしたいんだけどなぁ」
「え、菊川君、似合ってるで?
かなちゃん、こういうのあかんかったん?
いややのに、俺、無理矢理つけさせようとしてた?」
三枝にごめんと謝られ、慌てて否定。
こんなことで、嫉妬してる場合じゃなかった。
こちら側の二年生には、ヤマと俺の間に今更入ってこようとする人間はいないだろうしな。
あちらの生徒は、プライドが高い分、番のΩのことをこんなに気にするヤマを見たら・・・うん、距離を置くだろう。
あとは、ヤマの写真撮影を断れば大丈夫、大丈夫だ。
どこにも流出しない。
否定しながら、棚に近いヤマにお願いして自分の着けているリボンをヤマと同じシルクハットに交換してもらう。
お揃いにするなら、リボンじゃなくても良い筈だ。
ヤマは黒耳、俺は白耳の色違い。
鏡の前で二人並べば、先程までの心配を忘れて自然と笑顔が溢れる。
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