ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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12 修学旅行 side 陸

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また、鬱陶しいことになんのか・・・


苛立ち紛れに舌打ち。

点呼時間前の廊下は、男子生徒もまばらで静か。
大方、どのクラスのβも女子部屋に行ってんだろう。
αは、俺と大差無いか、さっさと身を隠してるか・・・

廊下の端に置いてあったスイング式ゴミ箱に、使用済みコンドームを放り込み、大浴場に向かう。
なんか問題になったら、どうせ嫌でも対応しなきゃなんねぇときが来るんだしな。
今は、さっさと風呂に入って寝るに限る。

菊川は、どうせ番部屋でかなちゃんを構い倒してんだろ。
俺も、番が出来たらあんなα女子を相手にしなくて済むんだが・・・

廊下の窓から射し込む光が強く、誘われて上を眺めれば満月に近い月が夜空に浮かんでいた。

あの日も、こんな空だったっけ。
雨が続いていたから、久しぶりの夜空には雲ひとつ無かった。
空になった右手を眺める。
あの日、濡れた身体を抱き締めて、暖めあった俺の・・・

掌を握り、自嘲する。

二度と同じ過ちは犯さない。
慎重に、慎重に、だ。
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