ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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12 修学旅行 side 陸

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主導権は、孕んでも孕ませてもαが生まれる確率が高いα女子にあって当たり前だと言外に滲ませる。
選ぶのはこちら側なのを妥協してやっているんだと、態度は上から目線だ。

・・・めんどくせぇ、俺に寄ってくんのはこんなんばっかかよ。
自分で相手くらい見つけに行きてぇわ。

黙って眺めていたら、自分に都合の良い解釈をしたらしい。
稲葉は、右手首につけていた淡い緑のシュシュで肩まで伸ばした薄茶色の髪を後ろにまとめる。

ここで断ったところで、明日も来そうだ。
ヤル気満々なα女子を理由なく、決まった相手もいねぇのに断れば、後がこぇぇのは学習済み。
かなちゃんと番になる前の菊川のように、有無を言わせないプレッシャーが出せるほど未来の誰かに対して確信がもてるわけじゃねぇし、松野みてぇに許嫁も居ねぇと断り方がめんどくせぇ。

また、岬の手を借りれば、空や海から馬鹿にされる。

コイツらα女子は、普段マウントでギスギスしてんのに、こんなときは徒党を組んで自分達を蔑ろにしたって息巻いて囲んで来やがるからな。

俺は、せめてこれが不本意だと伝わるようにでっかい溜め息をつき、さっきの台詞をもう一度言わせてスマホに動画を録画。
後で恋人気取りされないように、証拠を確保すると。

興奮している稲葉の手を取り、布団の上に組み伏せた。
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