ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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11 修学旅行 side 渡

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かなちゃんと菊川君の席替えは、クラスの中でも特別やねん。
先生の気紛れである席替えは、毎回くじ引きで座席が決まるんやけど。
一番目にかなちゃんがくじを引いたら、自動的にその前が菊川君。
該当の番号を引いた生徒は、もう一回引き直すのが定着してる。

二年生中は、菊川君、かなちゃんの前の席が当たり前になるんやろうなって思ってたんやけど。
この前のくじ引きで、かなちゃんが一番前になってな。
かなちゃんは嫌がってたんやけど、菊川君が粘り勝ちしてかなちゃんの後ろに座るようになってん。

「倭人さんの前だと、ずっと見つめられてるみたいで落ち着かないんだ」なんて、顔真っ赤にしてかなちゃん頑張ってたんやけど。
そんな可愛い顔で可愛いこと言うたら、なぁ?
菊川君、めっちゃ甘いフェロモン爆発させて、クラス中が悲鳴上げたわ。

菊川君、授業中もずっと前ばっかり見て。
先生の話よりかなちゃんの背中とか、真剣に授業聞いてるかなちゃんの顔にメロメロやねんて。
菊川君の隣に座ってる梛木 詩音(なぎ しおん)学級委員長とは、恋愛小説を貸し借りし合う仲なんやけどな。

菊川君が、「うわぁ、カナ、可愛い」とか、「カナ、何かわからないのかなぁ」とか。
小さい声で呟いてるのが聞こえてきて堪らんらしい。

いちゃいちゃしてるとこも見放題やからな。
自分でもマンガ書いて同人誌とか出してる梛木さんは、「リアルに二次元が負けることがあるのね」ってなんや敗北宣言してたな。
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