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10 入籍

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7月7日、午後3時。
清人さんと遥馬さんの結婚式は、定刻通りに始まった。
南の離れから会場へ二人が手を繋いで現れると、参加者全員が立ち上がって拍手で出迎える。


「清人様ぁ~、おめでとうございますぅぅ」
「清人様ぁ~、ハルちゃん、おめでとうっっ」
「二人とも綺麗やわぁ」
「清人、感謝しなさいよっ」
「おめでとう~」


昼過ぎに実家から南の離れに戻ってきた遥馬さんは、会場を直前まで見ないように清人さんから後ろ向きで目を閉じ歩くように誘導されていた。
装飾が完了した庭を目の前にして、屋内であると思い込んでいただけに、ビックリし過ぎて足が進まずに固まっていたが、すぐにボロボロ涙を流して喜んでくれた。

結婚式の規模は、菊川家が関わっているのに小さい。
二人の家族と共通の知り合いだけが集まっているから、20人にも満たないんじゃないかな。
遥馬さんの希望通りの内々のパーティだ。

その分、会場全体が暖かく優しい雰囲気に満たされていて居心地が良い。
初めて会う人もいるのに、二人を通して繋がっているせいか初めて会った感じがしない。
待ち時間に、友達のように仲良くなっている人達もいた。
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