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「樟葉、間に合いそうもないからそうして貰ってくれ。
俺達が全員ショートホームルーム遅刻になる」


俺も現実的に考えて賛同。
樟葉より、樟葉を背負った芝浦の方が早いのは考えるまでもない。
樟葉は、三枝と俺に囲まれ覚悟を決めたようだ。
目を閉じて、「えいっ」と目の前の背中に飛び付いた。


「軽すぎだな」


言葉通り、ヒョイッと立ち上がる芝浦。
前から見ると、背中に隠れた樟葉の姿も見えないし、芝浦は自分の水着一式が入った鞄を肩から下げたままでも全く問題ないらしい。
樟葉の肩に引っかけているだけのブレザーが落ちないように、後ろに回した腕の位置を確認して走り出した。

うん、樟葉の全力より遥かに早いな。
慌てて三枝も、「待ってぇなぁ」と追いかけていく。
俺達も急いだ方が良いな。
だが、走り出す前に、隣のヤマから強い視線を感じる・・・


「カナ、カナもおぶさる?」


キラキラ期待した目を向けられていた。

もちろん、丁重に断った。
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