ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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「あ"ー、おぶってやるから背に乗れ」


芝浦は、この小走りをしても歩くのと変わらない樟葉に合わせた速さでは間に合わないと見切りをつけたらしい。
俺とヤマを追い抜いて、樟葉の右手を取り止まらせる。


「・・・え、え、だ、大丈夫だよぉ」

「どう考えても間に合わねぇよ」


樟葉の顔が、手を握られただけなのに真っ赤に染まる。
樟葉は、番になる前から芝浦のストーカー。
今も、学校公認の芝浦専属カメラマンだ。
先程の水泳の授業中も、熱心に撮影していたが・・・ほぼピント補正が間に合わないくらいにボケているか、フレームがずれているだろう。
樟葉の場合、腕と経過年数は見事に解離している。

長年見ることに慣れていて、しかも番にもなっているのだが。
触れられたことに樟葉は興奮して、「はわはわ」言葉にならないらしい。
口をつぐんでしまった。
芝浦は気付いてないのか、背を向けて腰を落とした。 


「早く乗れ」


過保護の柴田でもしないことだが、芝浦に迷いはない。
柴田がいないと、芝浦は樟葉に対して甘くなる。


「えぇやん、えぇやん、みこちゃん」


番のイチャラブ好きな三枝は、もちろんキラキラ目を輝かせて後押し。
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