ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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8 友達 side 渡

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「ワリィ、待たせた」


ヒラヒラ手を振りながら、ホテルに入ってきた笹部君は手ぶら。
泳ぐのに必要なもんは、専用個人ロッカーに預けてて、洗濯もホテルにお任せ。
特別待遇なんやなぁって、最初ビックリした。


「えぇよ、えぇよ。
今日も美味しいジュース貰ってたし」


最後の一口を飲み干して、スタッフのお姉ちゃんに「いつもありがとうございます」って会釈して更衣室に向かった。
更衣室って、宿泊者用とプールのみ利用者用しかないって思ってたらな。
また別に部屋があって、いっつもそこで着替えんねん。

まぁ、水着は着てきてるし。
脱ぐだけやねんけどな。
四人用のロッカーと、仕切りと扉もついた個別のシャワールームが二つ。
二人で使うには広すぎるくらい贅沢で、ミニ冷蔵庫には、飲み物も用意されてる。

ここに来るときも、エレベーターには表示されてへん階にスタッフの人が止まるよう操作してくれてるからな。
この部屋がある階全部が、秘密の階みたいやねん。

なんや、映画の世界やん?
初めてエレベーターでこの階に止まった時な、
忍び込むスパイになった気分やわって言ったら、笹部君に笑われた。
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