ヘタレαにつかまりまして ２

5 誕生日

24

一方の俺は、自然体でなんていられない。

気持ちが高ぶりすぎて、ヤマの左手首から下がった手錠を持った手は細かくフルフルと震えていた。
やましすぎて、ヤマの顔をとても見ていられない。
信用しきっているヤマに、俺は何をしようとしているんだ。

何も言わず、両手を出したまま俺が動くのを黙って待っているヤマ。
そのヤマの右手首に、カチリと手錠を嵌めただけて。
興奮しすぎて、ヤバイ。
ダメだ、頭に血がのぼるっ

自分の手で、自分の番に。

あぁ、もう、本当にっ


｢カ、カナ？
あの、大丈夫？｣


目の前で、胡座をかいているヤマがギョッと顔をひきつらせていたが。

俺の方に伸ばされたその両手首には、手錠があって。
白いファーがフワフワ揺れていても、自分の手で拘束してしまったのは間違いなくて・・・