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原則、家族は食堂で一緒に食事をする。
この陽太さんの決めた菊川家のルールを破るわけにも行かなくて、ヤマの背に隠れこそこそ食堂に入った。
でも、席に座るにはその背から出るしかないから。
俯いて、出来るだけ見られないようにしていたんだが。
「ちょっ、桜宮さん??」
席に近づこうと、ヤマの影から出た途端。
陽太さんが椅子から立ち上がり、わざわざテーブルを避けて走ってきてくれた。
席について先に夕食を口にしていたヤマのお兄さん、清人さんは、ちらっと振り向いた気配がしたけど食事を続けているみたいで。
その隣に座っていた清人さんの番の遥馬さんは、手を止めて陽太さんと一緒に近くまで来てくれた。
「奏ちゃん、大丈夫?
目、真っ赤だよ?」
「大丈夫です、あの、ちょっと、泣きすぎて」
大したことじゃないんだと笑いたい。
笑いたいのに、泣きすぎたせいか上手く表情が作れない。
この二人が誤解する前に、理由を言わないと!
大袈裟なことになったり、ヤマが責められてしまう。
この陽太さんの決めた菊川家のルールを破るわけにも行かなくて、ヤマの背に隠れこそこそ食堂に入った。
でも、席に座るにはその背から出るしかないから。
俯いて、出来るだけ見られないようにしていたんだが。
「ちょっ、桜宮さん??」
席に近づこうと、ヤマの影から出た途端。
陽太さんが椅子から立ち上がり、わざわざテーブルを避けて走ってきてくれた。
席について先に夕食を口にしていたヤマのお兄さん、清人さんは、ちらっと振り向いた気配がしたけど食事を続けているみたいで。
その隣に座っていた清人さんの番の遥馬さんは、手を止めて陽太さんと一緒に近くまで来てくれた。
「奏ちゃん、大丈夫?
目、真っ赤だよ?」
「大丈夫です、あの、ちょっと、泣きすぎて」
大したことじゃないんだと笑いたい。
笑いたいのに、泣きすぎたせいか上手く表情が作れない。
この二人が誤解する前に、理由を言わないと!
大袈裟なことになったり、ヤマが責められてしまう。
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