ヘタレαにつかまりまして ２

2 進路

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｢だから、どこに住むかも含めて、カナと二人で一緒に将来のことを考えたいなって｣


穏やかに微笑むヤマ。
二人で、か。
番のΩと一緒に何かを考えていこうとするαは、二次元のΩ向き恋愛小説の中にはたくさん出てくるが。
澪さんと陽太さんの結婚で、番の関係が改善されたとは言え、実際にそんな風に考えようとするαはまだ少数だろう。

それを本心から口にしているヤマ。
Ωが夢見る、お伽噺の中から出てきたようなα。
そんなヤマを番にしている自分が、恵まれていることに感謝して今なら素直に喜べる。
以前なら、なんだコイツはと訝しみ、呆れていたことなのに。


｢うん、一緒に考えよう｣


ヤマに頷き、未来に思いを馳せる。　
ヤマと俺のこれからのこと。
ヤマを支える番になるために、俺はヤマに何をしていけるだろうか。