ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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俺の右手薬指にはめた、揃いの指輪。
ヤマは、その輪郭を指でなぞってから自分の指輪を近づけて指を絡めてくる。
手首にも胸元にも、揃いの腕時計とネックレスは無い。
菊川家の敷地内では、身に付けないように二人で決めたんだ。

俺の幼い頃からの教育係であり、今は桜宮家に命じられて俺のボディーガードを続けている萩野からのメッセージを知らせる腕時計と。
GPSや盗聴機能まで実は搭載されていた、番記念と偽って渡していたネックレス。
ヤマにはずっと伏せていたことを、父さんにも確認してから種明かしをして詫びたのは数日前。
今まで渡していなかったが、互いを守るためにとヤマにも腕時計を渡してある。

ヤマのフェロモンレイプを未然に防いだとは言え、ヤマもさすがに複雑な感情を隠せずにいたが・・・最終的には、「ありがとう」と感謝されてしまった。
ヤマは、俺に甘すぎる。
俺は、どんな責めも受け入れるつもりでいたのに。

Ωがαの首に鈴をつけるなんて許されないことだ。

萩野と直接会って貰ったときは、基本的に他人に好意的に接するヤマが始終無言。
ピリピリして、萩野が嗤いながら握手を求めても拒否していた。 

俺にはわからないα同士のフェロモンで、恐らく萩野がなにかをしたんだろうが・・・萩野、ヤマのことをポンコツ呼ばわりして、バカにしきっていたからな。
萩野は、陽太さんとも何かあったみたいだし、菊川家の人間と仲良くする気はないんだろう。
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