ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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1 始業式

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こちらを見ながらヒソヒソ話す内容は、Ωを婚約者にしたヤマへの嘲笑か、それとも同じαとしてヤマの力に畏怖する声か。
あぁ、俺の周りのこの甘いフェロモンへの評価もあるか?

中には、俺とヤマに好意的な視線もあるが、未だにΩを蔑ろにするα家系もいるからな。
春休みの間の、自分に優しい環境に慣れてしまっていた俺は久々の憂鬱な気持ちが顔に出そうになったが。


「カナ、行こう」


周囲のことなど全く関知しない鈍感なヤマは、握った掌をわざわざ恋人繋ぎに組み換えて笑いかけてくる。
ただの、繰り返される日常なのに、俺と一緒にいることが、嬉しくて楽しくて仕方ないのだと全身で伝えてくる。

二人の胸元には、隠れているが揃いのペンダントがあり。
右手首には、揃いの腕時計がつけられている。
お互いを守るための、秘密のアイテム。

俺はヤマにとって、庇護され、束縛されるだけの存在じゃない。
出鱈目過ぎるチートαのヤマの隣で、一緒に歩いて支え合える存在になるんだ。

俺は決意を新たに、その手に力を込めて頷いた。
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