ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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1 始業式

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屋敷での朝食後。
茅野学園高等部送迎車用のロータリーに入る車中で、俺は今までになく願っていた。

どうか、三枝や樟葉と同じクラスになっていますようにっ

今までは、いくら努力しても乗り越えられないαと目の敵にしていたヤマ、目敏くて偽装αに気付かれそうな笹部とは同じクラスにならないことを祈っていたが。
今年は逆になりたい友達がいる。

ヤマとは番だから、優先して同じクラスになることが決定しているので心配がない分、もっと上を望んでしまっていた。

三枝 渡(さえぐさ わたる)は、βで高等部からの編入生。
偽装αのときも、Ωとわかってからも、態度が変わらず・・・いや、母親の影響で番に憧れがあるらしく、むしろヤマと番になってからは羨ましがられて夢見勝ちなことを言われているな。

βだけの社会で育っていたせいか、ヤマと同じくらい頭の中にお花畑を造成中。
βと番は、一生関わりがないだろうし、当事者になりようもないからな。
敢えて現実は告げず、番やΩの負の面は話さず、そのままにしている。

俺の初めての友達であり、性格は心配になるくらい素直で優しすぎる。
生徒会庶務であり、初代風紀委員長。
ヤマが俺のために動くと、当たり前のように巻き込まれ、でもそれを受け入れて楽しんでいるお人好しなところがある。
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