可愛いΩのナカセカタ

三日月

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番外編

酒の肴 4

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 俺が炭酸の抜けかけた発泡酒を飲み干すと、由良も真似してコクンコクンと喉を鳴らした。両手で大切に覆った空のグラスを胸に抱き、ニコニコ笑顔で俺を見てくる由良。その身体から、求愛フェロモンが溢れ俺に向かって漂ってくる。薄布を広げたような面で迫ってきたかと思えば、俺の身体を取り囲み、旋風のようにくるくる回って消えていく。
 相変わらず、由良の求愛フェロモンは心地好いな。


「んん?
疾風ぇー、シール、シールっ」


 取り上げたシールを寄越せと手を伸ばしてきたので、どうぞと渡してやると引っ込めようとした手首を掴まれる。ニヤニヤ、ニヤニヤ、笑みを絶やさないご機嫌な由良。何をする気だと、黙ってされるがままに任せていたら、コップを離した手で名前を書いたシールを一枚捲り、ペタリと俺の甲に貼り付けた。


「フフフッ」


 貼ったシールに手を重ね、俺の甲を何度も何度も撫でる由良。その掌が、段々熱くなってくるのは・・・酔いもあるんだろうが、発情してるな。由良のパンツを押し上げているペニスの膨らみがその証拠だ。
 酔っ払いの由良は、自分の状況をよくは理解していないらしい。放っておくと、延々と俺の手を撫でていそうな由良の頬をつついてやる。


「ゆーら、指、舐めて?」

「指?」


 首を傾げつつも、素直にぱくりと口に含まれる。俺の人差し指をチュプチュプ口の中に含み、とろりと瞳を溶かす由良。二本に増やせば、指の間にも丁寧に舌を這わせハムハム甘噛みまでしてくる。


「ゆーら」

「ん?」

「俺は、ここの片付けがあるからな?」

「んん?」

「由良は、その間にちゃんと準備しといて?」


 由良の咥内を撫で上げ、舌を摘まんで捏ねてやる。由良は、抗いもせずうっとりと俺を見つめていた。
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