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番外編
真似っこ、お揃い、あのひとと 9
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◼風花 31歳の場合◼
くそぅ、今日も可愛すぎるっ
・・・なんて、顔には出さない。休み時間に入った渡り廊下。そこを歩いていた生徒や教師は数いても、目に入るのは一人だけ。躓いた拍子に散らばってしまったプリントを集めるため、しゃがんで見えなくなった頭から視線を外してカーテンを閉め直した。
さーてと。うららかな春から一転、照りつける強い陽射しにやられ、保健室に運び込まれたバカザルのお世話をしなくっちゃ。
「この前、クラスにまわしたプリント見てなかったの?
熱中症に注意って書いておいたでしょう?」
「ん~、そぅだっけ?」
ヘラッとベットに横たわるバカザルは、上半身を起こして私が渡したコップの水を一気に飲み干した。濡れた唇が、予想通りの答えを返してくる。自分がそのことを忘れて熱中症になってしまったことを恥じたりとか、この失態を誤魔化そうとかはαなのに一切ないの。本気でプリントのことも覚えてないのよ、このバカザル。そして、授業中に倒れたこともなんとも思ってないのよ。
この中学校に赴任してから、教師からも生徒からも男女問わず絶賛大注目され、モテまくってるか恐れられてる私が作ったプリントよ?他の生徒は食い入るように見てくれて、お近づきになりたい子なんてわざわざ感想を伝えに保健室に顔を出すくらいなのよ?
あぁ、なんでコレが良いの?我が家の可愛い可愛い世良ちゃんが、絶賛片想い中の相手がなんでコレなの?軽い蹴りだけで吹っ飛ぶ小さい身体は、二年生になっても軽いまま。頭の中も込みで軽いままよ?
くそぅ、今日も可愛すぎるっ
・・・なんて、顔には出さない。休み時間に入った渡り廊下。そこを歩いていた生徒や教師は数いても、目に入るのは一人だけ。躓いた拍子に散らばってしまったプリントを集めるため、しゃがんで見えなくなった頭から視線を外してカーテンを閉め直した。
さーてと。うららかな春から一転、照りつける強い陽射しにやられ、保健室に運び込まれたバカザルのお世話をしなくっちゃ。
「この前、クラスにまわしたプリント見てなかったの?
熱中症に注意って書いておいたでしょう?」
「ん~、そぅだっけ?」
ヘラッとベットに横たわるバカザルは、上半身を起こして私が渡したコップの水を一気に飲み干した。濡れた唇が、予想通りの答えを返してくる。自分がそのことを忘れて熱中症になってしまったことを恥じたりとか、この失態を誤魔化そうとかはαなのに一切ないの。本気でプリントのことも覚えてないのよ、このバカザル。そして、授業中に倒れたこともなんとも思ってないのよ。
この中学校に赴任してから、教師からも生徒からも男女問わず絶賛大注目され、モテまくってるか恐れられてる私が作ったプリントよ?他の生徒は食い入るように見てくれて、お近づきになりたい子なんてわざわざ感想を伝えに保健室に顔を出すくらいなのよ?
あぁ、なんでコレが良いの?我が家の可愛い可愛い世良ちゃんが、絶賛片想い中の相手がなんでコレなの?軽い蹴りだけで吹っ飛ぶ小さい身体は、二年生になっても軽いまま。頭の中も込みで軽いままよ?
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