可愛いΩのナカセカタ

三日月

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番外編

お酒に御用心 24

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 由良が前日から恐らく仕込んでいた料理も、僕達が手土産にとケースで持ち込んだお酒も底をつき、その後の由良特製ケーキも由良と世良ちゃんの分を先に取り置きして完食。
 雪さんは、ケーキを食べる前はお腹がいっぱいだと遠慮がちでしたが。一口食べると別腹だと気付いたようです。「うまっ」とボソッ呟いて、あっという間に1ピース食べてました。それに気付いた嵐から、「俺はお腹がいっぱいだから、食べてくれると助かる」と言われて「仕方ねーな」と全然仕方なしではない笑顔で受け取りそれもすぐに食べきってましたしね。

 そうでしょう、そうでしょう。由良はデザートも得意なんですよ!

 青嵐と入れ替わるように、風花が「片付けぐらいはするわ」と風音を誘って途中から撤収に回ってくれていましたからね。空になった皿やグラスをキッチンに手際よく運んでは、洗って拭いて片付けてまでしてくれたお陰で、終わりを迎える頃にはテーブルの上はスッキリしてました。

 嵐の腕の中で眠ってしまった世良ちゃんは、今は自分の部屋で熟睡中。朝まで起きてくることは無さそうです。由良は後半から疾風様の膝枕・・・素面なら、由良が恥ずかしがって絶対しない場所、で熟睡中、でしたが。


「ゆーら、そろそろ帰すぞ?」


 雪さんが質問攻めになっている様子や、青嵐の土産話に耳を傾けていた疾風様。片付けも一段落したので、もういいだろうと判断されたんでしょうね。強制的に由良を起こされました。
 自分の側を向いていた耳朶を指でヤワヤワ揉んで、むず痒いと身をよじった由良の耳の中へ息を吹き掛け。「ふわぁっ」とおかしな声をあげて由良が覚醒したところに、鼻を摘まんでからのアルコール入りでのベロチュウ。疾風様、鬼過ぎます。遊びすぎです。
 目を見開いて驚きながらも、由良が拒めるはずありません。コクン、コクンと喉が鳴り。


「んーーーぱぁッ・・・ぇっと・・・疾風だぁ~」


 解放された時には、そのまま微睡みそうなくらい瞳はトロンとしてました。お酒、抜け始めていたのにまた戻ってますよ。由良は起き抜けに見つけた疾風様に抱きついて、お腹や腕に身体をスリスリと擦り寄せてます。
 雪さんは、どうやら慣れたようですね。食後のコーヒーを無言で飲んでいました。

 由良は、周りから注目されてることがわかってないんでしょうね。疾風様だけ視界に入れて、嬉しそうに笑っています。近づいてきた疾風様の鼻や頬をハムハム甘噛みまで始めました。

 疾風様の由良を見つめる雰囲気からすると、僕達が帰ったら即始める気ですね。
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