可愛いΩのナカセカタ

三日月

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番外編

嵐に舞う雪 23

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「・・・てめっ・・・んんっ」


 反射的に抵抗を示す身体はすぐに弛緩し、震える腰を撫でただけで膝が折れた。崩れ落ちながら、頭を反らそうとする雪さんの首を、指で撫で上げ、しっかり上を向いて享受するよう促し更に深く口付ける。

 覆い被さり、上顎を丹念に嘗めて、逃げ切れていない舌を吸いながらうなじに刻んだ歯形を指先でなぞれば。俺の手中に残るのは、アルビノ特有のまっさらな肌を薄桃色に上気させ、赤い瞳をグズグズに溶かした雪さんだけ。粗野な言葉遣いを封印されて、悔しそうに睨んでくるけど。誘ってるようにしか見えませんよ。


「・・・あぁっ、たく」


 ぐいっと乱暴に胸元を捕まれ、今度は雪さんから唇を奪われ、あっという間に形勢逆転。床に押し倒され馬乗り。ねっとり絡み付くような舌技は、雪さんが昔誰かと交わしていたもので。それに不覚にも気持ちいいと感じてしまう度に悔しくなるものだ。

 番になってから、何度この身体を他のαやβに奪われたか。悔しくて自分の弱さに打ちのめされ。あんなに自信満々に、雪さんに後悔させないと言い切っていた浅はかな子どもの愚かさが。「仕方ねぇな」と受け入れてくれた雪さんに、助けられているのだと身に染みる。

 今回も俺の力が至らないせいで襲われたのに、雪さんは俺を一切責めない。最後には、自分が折れて俺が求めるままに謝ってくれる。
 確かに、雪さんの言う通りだ。俺は小僧のまま、全然成長出来ていない。
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