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番外編
第一回世良会議 6
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草開茜の情報シートが濡れてしまわないようにテーブルから掬い上げ、三人の顔を順に確認する。青嵐は、硬直。風音は、ひたすら瞬き。凪に至っては顔がひきつっている。
これ、コピー不可だし原紙なのよね。まぁ、原紙持ち出してる私が、そこを気にするのかって話だけど。
「・・・へ、へぇ。
久々だな、世良の恋愛なんて」
青嵐はなんとか声を喉奥振り絞り、床やテーブルに散らばった液体や缶、割れた凪の湯呑みを片付け始めた。指先が、動揺しすぎてカタカタ震えてる。頭の中で、疾風様から萩野合宿を命じられる未来が見えたのかもしれないわね。世良ちゃんが誰かを好きになると、毎回失恋して由良が慰める。で、なぜか、由良が自分が悪いとか思って沈んで疾風様がこっちにふってくるのよね。
「いやいや、いやいや、いーーやーーーっ
うちの世良ちゃんが、なんでこんなαにときめくのっ!
やめてーーーっっ」
ジタバタ手足をばたつかせ、風音は悲鳴をあげる。世良ちゃんの恋心に気づいたばかりの頃の私を代弁してるみたいね。ここまで表には出せなかったけれど、よりによってなぜ?!って思ったもの。他にもいるし、なんなら周りを気にして牽制しあってるけど世良ちゃんのことが好きなα女子だっているのよ?
凪は、無言の鉄仮面でもう一度見せろと手を出してくるから、情報シートを見易いように広げてあげる。
「これ、原紙だから丁重に扱ってもらいたいんだけど?」
相手の情報だけじゃなく、身体まで細切れに解体しそうな凪に渡したら、文字通り握り潰される。
これ、コピー不可だし原紙なのよね。まぁ、原紙持ち出してる私が、そこを気にするのかって話だけど。
「・・・へ、へぇ。
久々だな、世良の恋愛なんて」
青嵐はなんとか声を喉奥振り絞り、床やテーブルに散らばった液体や缶、割れた凪の湯呑みを片付け始めた。指先が、動揺しすぎてカタカタ震えてる。頭の中で、疾風様から萩野合宿を命じられる未来が見えたのかもしれないわね。世良ちゃんが誰かを好きになると、毎回失恋して由良が慰める。で、なぜか、由良が自分が悪いとか思って沈んで疾風様がこっちにふってくるのよね。
「いやいや、いやいや、いーーやーーーっ
うちの世良ちゃんが、なんでこんなαにときめくのっ!
やめてーーーっっ」
ジタバタ手足をばたつかせ、風音は悲鳴をあげる。世良ちゃんの恋心に気づいたばかりの頃の私を代弁してるみたいね。ここまで表には出せなかったけれど、よりによってなぜ?!って思ったもの。他にもいるし、なんなら周りを気にして牽制しあってるけど世良ちゃんのことが好きなα女子だっているのよ?
凪は、無言の鉄仮面でもう一度見せろと手を出してくるから、情報シートを見易いように広げてあげる。
「これ、原紙だから丁重に扱ってもらいたいんだけど?」
相手の情報だけじゃなく、身体まで細切れに解体しそうな凪に渡したら、文字通り握り潰される。
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