可愛いΩのナカセカタ

194 Ω

　腹部を強打され、胃液の逆流に苦しむ自分から芹沢が再び離れる。ゲハゲハと吐き出したくても唇と拘束具の隙間は僅かで出ていかない。何度も餌付いている顎を、芹沢の足の甲に持ち上げられる。


｢ほーら、新しい画を今から録るから笑って～｣


　・・・電子音が微かに聞こえる。髪を捕まれブチブチ毛が千切れるのも構わず身体を持ち上げられ、膝立ちを強要させられる。霞んだ視界、壁一面の大画面は、昔の自分から今の自分に切り替わっていた。


｢顔腫れてきたけど、由良ちゃんだってわかる人にはわかるでしょー｣


　額も頬も裂傷と打撲で赤黒く腫れ、胸から腹に幾筋も刻まれたミミズ腫れが走る。胸にはピンをつけられ、間のチェーンが血に濡れながら揺れている。
　あまりに醜い自分が、そこには晒されていた。