可愛いΩのナカセカタ

三日月

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「こんにちは、萩野と言います。
 怪我をした由良さんを医者である父が保護しまして、今月に入り記憶が漸く戻ってこのジムを探していたんです」


 なにか突っ込まれたら、学生の俺にはわからないで通せばいい。俺は息を吐くように嘘をつく。


「4年前に路上で倒れているところを俺が発見したんです。
 かなり痩せていて、まさか格闘をされるなんて知りませんでした」


「そうか、苦労したんだな、由良」


 うわぁ、チョロイな。あっさり信じた。性善説で生きてるタイプか?それとも由良に再会してテンションが上がりすぎ、頭がまともに回ってないのか?鵜呑みにして由良を労る横顔。もう一度、優しく抱きしめ頭まで撫で出す。
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